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キャッシュレス還元、国民の4割「よくわからない」と回答。効果はあった?【実態調査】

内閣官房が2017年6月9日に「未来投資戦略 2017」を、経済産業省が2018年4月11日に「キャッシュレス・ビジョン」を公表しました。

キャッシュレス・ビジョン」では、日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催される2025年までにキャッシュレス決済比率を40%とする目標を設定した上で、将来的には世界最高水準の80%を目指すとした「支払い方改革宣言」が提示されています。

キャッシュレス推進は、消費者の利便性向上といった利点だけでなく、少子高齢化による人手不足への対応、IT・データ利用による中小・小規模事業者の生産性向上や地域活性化といった社会課題の解決が求められている背景も大きく影響しています。キャッシュレス社会の実現に向けた時代の大転換期において、消費者の習慣や事業者の商慣行に深く根付く形でキャッシュレスを進めていく必要があるのです。

そこで今回は、キャッシュレス決済の利用実態、キャッシュレス・消費者還元事業の影響、キャッシュレス社会に消費者が求めるものなどを明らかにするため、MMD研究所とVisaが実施した「2020年キャッシュレス・消費者還元事業における利用者実態調査」の結果をご紹介します。

キャッシュレス・消費者還元事業の認知は約9割、内容の理解は約6割

20歳~69歳の男女50,000人に「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知と理解を聞いたところ「知っているが、内容をあまり理解していない(22.6%)」「知っているが、内容を全く理解していない(7.2%)」「知っており、内容をよく理解している(21.3%)」「知っており、内容をやや理解している(38.9%)」となり、「キャッシュレス・消費者還元事業」を知っているという認知は89.9%、内容を理解している割合は60.2%となりました。

出典: PR TIMES


出典: PR TIMES

認知キッカケはテレビのニュース番組が最多

「キャッシュレス・消費者還元事業」を認知している20歳~69歳の男女44,962人に認知したキッカケを聞いたところ、「ニュースや情報のTV番組(34.6%)」「TVCM(14.8%)」とテレビで知った割合が半数を占める結果となりました。

次いで店舗のポスターやのぼりで見る機会もあった「店頭や街なか(11.6%)」が続いています。また、「新聞(9.5%)」「インターネットニュース(5.2%)」と報道による情報で認知するキッカケにもなっているようです。

出典: PR TIMES

Next: 「キャッシュレス・消費者還元事業」でキャッシュレス決済での支払いは変化があったのか?



「キャッシュレス決済の支払いが増えた」が約4割

「キャッシュレス・消費者還元事業」は10月1日よりキャッシュレス決済を行うと最大5%ポイント還元される制度です。20歳~69歳の男女50,000人にポイント還元が始まった前後でキャッシュレス決済の支払いに変化があったかを聞いたところ、「キャッシュレス決済で支払うことが増えた(39.3%)」と4割近い人がキャッシュレス決済の支払い回数が増えたと答えました。

出典: PR TIMES

クレジットカードが9割近い利用率を維持、スマホ決済(QR・非接触)が増加

キャッシュレス決済を利用している20歳~69歳の男女41,504人に消費者還元事業が始まる前と後で利用したことのある支払い方法について複数回答形式で聞いたところ、始まる前は「現金(98.3%)」、「クレジットカード(87.2%)」と支払いの主流は現金とクレジットカードでした。

出典: PR TIMES

消費者還元事業が始まった後の支払い方法として、依然「クレジットカード」が高い利用率(87.2%)ですが、「QRコード決済(45.9%)」は10ポイント、「スマホ非接触決済(30.7%)」は2.7ポイント増えています。

最も利用するキャッシュレスは「クレジットカード」が52.0%

キャッシュレス決済を「1ヵ月に1回以上」利用している20歳~69歳の男女39,313人に1ヵ月の中で最もよく利用しているキャッシュレス決済を聞いたところ、「クレジットカード(52.0%)」が過半数を超えました。次いで「カード型電子マネー(19.2%)」、「QRコード決済(18.2%)」と続いています。

出典: PR TIMES

近年キャッシュレス決済の選択肢が増え、特に「QRコード決済」は大型キャンペーンによる利用促進等で一定の利用者を獲得しています。一方、クレジットカードは幅広い世代、性別に選択されていることがわかりました。

出典: PR TIMES

Next: 消費者還元事業後、キャッシュレス決済の利用が増えた場所は?



キャッシュレスの利用場所TOP3は「コンビニ」、「スーパーマーケット」、「ドラッグストア」

キャッシュレス決済を利用している20歳~69歳の男女41,504人に消費者還元事業後でキャッシュレス決済の利用が多くなった場所を複数回答形式で聞いたところ、「コンビニエンスストア(41.5%)」が最も高く、次いで「スーパーマーケット(33.1%)」、「ドラッグストア(26.5%)」となりました。

消費税増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業の追い風も受けて日用品を買う大手チェーンストアでの利用が促進され、日常的にキャッシュレス決済を利用する人が増えている傾向にあるようです。

出典: PR TIMES

キャッシュレス決済、普及の体感は48.9%、期待は54.9%

20歳~69歳の男女50,000人にキャッシュレス決済と聞いて1番に思い浮かぶ決済方法を聞いたところ、「クレジットカード(50.2%)」が最も多く、次いで「QRコード決済(27.9%)」、「カード型電子マネー(11.6%)」と続きました。キャッシュレス決済と聞いての想起するイメージとして「クレジットカード」が過半数を占めています。

出典: PR TIMES

また、国が普及推進するキャッシュレス化について体感として「キャッシュレス化が進んでいると思うか」、「キャッシュレス化が進んでほしいか」の期待について、それぞれ聞いたところ、普及の体感については「とても進んでいると思う(7.8%)」、「やや進んでいると思う(41.1%)」と肯定的な回答が48.9%となりました。

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キャッシュレス化の期待に関しては「とてもそう思う(16.5%)」、「ややそう思う(38.4.%)」と肯定的な回答が54.9%となりました。これらのことから今後、イノベータ理論の普及段階であるキャズムを超え、マジョリティ層を含めた本格的なキャッシュレスの普及に繋がる可能性があると考えられます。

出典: PR TIMES

source: PR TIMES
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