会社のパンフレットや飲食店のメニューなどは、当然読み手であるお客様にとって分かりやすいものを、ということで作られているハズなんですが、実際のところは「何を訴えたいのかよくわからない」といったものも結構目にする機会があるもので……。中久保浩平さんの無料メルマガ『ビジネス真実践』では、何故こういった“分かりにくい”ものが出来てしまうのかを解き明かすとともに、どうすれば“真に分かりやすく”できるのかについてレクチャーしています。
「誰にとって?」がカギ
自社のパンフレットやwebサイト。店舗であればメニューやポップなど。あるいは、宣伝のためのチラシや広告など。お客様に情報提供するための媒体が必ずありますよね。
では、お客様や市場に情報提供する際、最も大切なことは何でしょうか?
そう「分かりやすいかどうか」です。これに尽きます。
従って、媒体を制作管理、運営する部署やポジションの人は制作会社に「とにかくお客様にわかりやすいものをお願いします」と発注したりします。
自分たちで制作する店内でのメニューやポップなども「とにかくわかりやすいものにしよう」と作業に取り掛かります。
しかし、残念なことに「とにかく分かりやすい」というのは、非常に曖昧な表現で、人によってわかりやすい程度も違うため、出来上がってもしっくりこないことが多々あります。
「なんかこう考えてたものと違うんだよなぁ~」とか「もっと、なんというか、パッと伝わってくるもんが欲しいんだよね」といった具合に。長嶋茂雄さんなら理解可能なのかも知れませんが。
実は、指示を出すほうも自分の感性や感覚でしか指示を出せていないので、このようなことが起こるのです。
そして、指示を出すほうが「わかりやすさ」をわかりやすく伝えることが難しかったりするのです。
では、どのように「わかりやすさ」の指示をすればいいのか? 一言でいうと、分かりやすいという基準を明確にすることです。
そのためには、指示をする際に「とにかく」という言葉を使わないことです。
例えば、お客様に分かりやすいようにポップを作ってもらいたいのであれば、「とにかくわかりやすく」ではなくて……「小学3年生の子供達がパッと見ても商品を理解できるもの」とか「65歳以上の高齢者の方が見やすいように大きな文字にして」とか、具体的に「誰が見て」というところから入り指示を出します。
誰が見て……という基準1つを明確に持っておくだけで、制作する側は「あぁ、なるほどな」と、その立場にたち分かりやすさを理解することができるので、制作物の分かりやすさは数段、高まります。
また、指示を出した側の意図を十分に汲みとれれば、不要な装飾やデザインが省かれるので、自己満足的なものはなくなります。
これが、分かりやすい媒体を作るコツです。
「とにかく誰が見ても分かりやすい」というような指示ばかりしてくる人には、「たとえば具体的に誰にとってわかりやすいのか?」と尋ねてみることです。
あるいは「誰が見ても」ということは、どの年代でどういう職業で、性別は? と、条件を明確に伝えて尋ねてみることです。
最初のスタート部分を曖昧なまま仕事を進めていってしまうと、無駄な作業が続き、伝わらない自己満足な制作物が出来上がります。
ということで、分かりやすさ、とはどのような基準を持って分かりやすさというのか。これを明確にしておくだけで制作物は意味のあるものに大きく変わります。
自分はいつも分かりやすい指示を出せているか? 抽象的な指示を出されたとき、どう対応しているか? 今一度、確認してみましょう。
それらを踏まえ、社内で「分かりやすさ」の基準を1つ1つ明確にしてみましょう。これまでの無駄に気がつき、改善しなくてはならいない点が見つかるでしょう。
今日のまとめ
『媒体は「分かりやすいかどうか」で決まる』
・自社の販促物や情報媒体を並べてみる。
・並べだしたものをみんなで「もっと分かりやすくするには?」という観点から話し合う。
・話し合ったことを基に「分かりやすさ」の基準を創る。
・基準に従い、改善するものは改善し、新たに制作する場合は基準に沿って制作する。
image by: Shutterstock
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