しかし、Windows10 Mobileのような機種となると、Continuumに対応していないようなスペックの製品でも「Windowsパソコン代わりに使える」と勘違いして、購入してしまう主婦層などが出てくると厄介だ。SIMフリー市場が盛り上がり、イオンのようなスーパーでも気軽に端末を購入できてしまう状況を考えると「主婦がパソコンが欲しくて、Windows10 Mobileを間違って買う」というシーンが何となく想像できてしまうのだ。
昔も、PCショップがオリジナルのパソコンを売ったりするなど、「品質は怪しいけど、スペックがスゴイ」といったものが流通していた。パソコンの世界は、大手メーカーがきちんとした製品を売りつつ、それとは違う選択肢として、「品質は怪しいけどスゴイ」パソコンを購入できる市場が広がった。ユーザーの商品知識が高まるのに応じて、選択肢が広がっていったのだ。
Windows10 Mobileの場合、そうした「きちんとしたメーカーの製品」と「品質が怪しいメーカーの製品」がいきなり玉石混淆とした状態で店頭に並ぶような気がしている。購入する上で、最初から消費者のスキルが問われるような気がしている。
多数のメーカーが参入し、選択肢が増えることは大歓迎だ。しかし、その中には、どこまで信頼性があるのだろうか、と悩ましいメーカーもこれから現れそうな雰囲気がある。そこで、メディアとしてどこまで扱って良いものか、というのが判断しづらいのだ。
新規参入メーカーを大々的に取り上げたものの、直後にネットで炎上している様子を見ると、メディアとして、この先、こうした新興メーカーの扱いをどうすべきか、日々、悩んでいるのである。
image by: 日本マイクロソフト
著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)
日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。
≪無料サンプルはこちら≫