11月に報じられた、北海道の私立中学でのいじめ事件。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、退学を余儀なくされた被害生徒の母親の告発と、公開するもすぐに削除された学校側のマスコミに対する抗議文が全文掲載されています。
いじめとマスコミ
先日、札幌市内の私立中学1年の男子生徒(12)が入学直後から半年間にわたってクラスメートらからいじめを受け、退学していたことが報道されました。
朝日新聞の記事によると、男子生徒は、殴る、蹴る、床に押し付けて髪の毛を1本ずつ抜く、シャープペンシルで腿を何回も突き刺す、お茶を顔に吹き付けるなどの暴力、さらに、「下の下の人間」「(お前は)俺のおもちゃだ」などの暴言や、LINEで、「こ・ろ・す・ぞ」というメッセージが送られるなどのいじめを受けていたことがわかりました。
そして、9月18日から不登校になり、10月末に退学。男子生徒の母親は「息子が連絡帳で訴えたのに、担任はなぜいじめを防げなかったのか。相談から2カ月もたつが、学校からは調査結果も知らされていない」と憤っている。
校長は「担任はふざけているのだと思い、いじめだと考えなかった。生徒と母親には申し訳ない」と述べ、学校側は、加害生徒らは謝罪の意思を示しており、同校もいじめを見抜けなかったなどとして謝る方針。主導した生徒を停学処分にし、ほかに関与した生徒らとともに指導する、などと報道されています(2015年11月15日付朝日新聞記事より)。
いじめられて助けを求めたら「ふざけていると思った」など、とても信じられません。しかし、マスコミの取材を受けたことで、それまでいじめ解決に消極的だった学校が、ようやくいじめ解決に向けて重い腰を上げたようです。謝罪や加害生徒を停学させる方針などが示され、いじめが解決の方向に向かっているようで、被害者側もほっとしているのではないかと思われました。
ところが、この札幌の私立中学は、この報道の翌日の11月16日、学校で保護者会を開き、校長が、「被害生徒は、大げさな反応をする子だ」という趣旨の発言をしたと報道されています。
さらに、朝日新聞に対しては、「取材内容と異なる報道がなされたことに対して抗議する」と宣言し、テレビ局については、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に申立てをしたことを報告する書面を配布しました。学校のホームページにも、この書面を掲載しました。
この反論がネットで取りざたされると、学校はこの書面をすぐさまームページから削除しました。
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