みなさんは、サウナお好きですか? 水風呂に入るときにも最低限のマナーがあります。せっかくサウナに入るのなら、気分よく入りたいものですよね。そんなサウナに関するちょっとした豆知識を『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の中で、旅行のプロ・飯塚さんが紹介しています。
体に悪いサウナがある!
温度によるようですが、高温サウナは実はよくないようです。
僕はサウナにはまず入らないし、医者でも科学者でもないので何とも言えないのだが、以前、『温泉批評』のインタビューで、温泉医学研究所長の早坂信也先生に聞いた話をしたい。
サウナは一般的には高温のものが主流で、100度近い温熱浴である。これだけならまだしも、サウナを出た後に17度くらいの水風呂に浸かる人が大半だ。 これは、医学的には「とんでもなく体に負荷がかかること」らしい。
ただ、僕は水風呂が大好きなので、45度くらいの高温浴の後で、17度くらいの水風呂に浸かることはしばしばある。 これもやはり体にはよくないようだ。
いい面をあえて言うなら、「健康な人が、激しい運動で体に負荷をかけて健康増進をするように、温冷交互浴で負荷をかけることで健康増進をはかる」という側面はあるようである。
これはつまり、健康でない人にとっては、体に悪いと考えていい。
なにが悪いかというと、急激な温度変化がまずいけない。
血圧は上がり、心臓に負荷がかかる。 サウナ後の水風呂では狭心症や不整脈を引き起こす可能性も考えられるという。
ただ、温泉の全身浴に比べて、サウナの場合は静水圧がかからないというメリットもある。 つまり、心臓に水圧の負担をかけずに血管を拡張する効果が期待できるという。
今までの話と違うではないか、と思うだろうが、この場合のサウナの温度に注目すべきで、おおむね60度くらいの低温サウナであることが重要である。
このくらいの温度であれば、全身浴よりも心臓に負担をかけずに血行を良くする効果が期待できるという。
水風呂への入り方も重要である。
体を守る水風呂の入り方
サウナを出て、そのまま水風呂へどぼんと飛び込み、頭まで水に浸かっているオッさんをよく見かけるが、こういう人を見るたび、僕は「お前、心臓マヒで死ね」と思ってしまう。
だいたい、汗みどろの体をかけ湯もせずに水風呂に浸すという行為は浴槽で小便をしているようなものである。 その小便まみれの水風呂に入る人間の気持ちになってみなさいっていうのだ。
そもそも、水風呂に入る時に、かけ湯(水)をしない人が多すぎる。
これはマジで体に悪いので、僕の場合は、両手足の先に2、3杯ずつ水をかけ、次に頭だけに水をかぶり、尻、腹、と攻めて、最後に全身に5杯くらい水をかぶる。 こうしてやっと水風呂に入るのである。
僕はデブで血圧も血糖値も問題ありありなので、これくらいしないと、自分の思惑と関係ないところで湯舟に浮いて迷惑をかける可能性がある。
それは断じて本意ではない。 温泉ソムリエアンバサダーで、温泉入浴指導員が、浴槽に浮かんだら、まったく恥ずかしいニュースになってしまう。
そこまで考えてかけ水をしているのだ。
むろん、サウナから上がったばかりでなくとも水風呂に入浴する機会はある。体を洗った後ですぐに水風呂に入る人もいるからだ。
すると、体もきれいな状態で、汗も流し終わった後で水風呂にきて、やおらかけ水などせずに浴槽に浸かるわけだが、これも見ていてあんまり気持ちよいものではない。 ほんの少しでもいいから、全身にさっと水を浴びて入って欲しい。 入浴者に対するマナー的なかけ湯である。
これは冷水浴に限らなくて、湯めぐりなどをして体はすっかりきれいなのに2湯め以降でかけ湯をするか否か、という議論になるわけだが、これは、きれいであろうとなかろうと、先客に見せるという意味でかけ湯をするのがマナーである。 温泉ソムリエの遠間家元はこれを「見せ“かけ湯”」と呼んでいる。 まったく言い得て妙だ。 こういう気持ちを持って、サウナも水風呂も、一般の温浴槽にも入っていただきたい。
サウナに限らず、かけ湯(水)は人のため、自分の体のためにもなること、なのである。
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『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋
著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
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