2016年、アメリカはどう動く
こういう流れで、アメリカは2016年に突入しました。そして、今年も2015年にできた流れに大きな変化はないと思います。すなわち、アメリカは今年、
- 中国をバッシングする
いろいろ方法はありますが、一番は「経済情報戦」でしょう。つまり、「中国経済崩壊論」を、毎日毎日報道する。
確かに、中国経済は、大きな問題を抱えています。しかし、「AIIB事件」前は、「肯定的報道」と「否定的報道」が半々ぐらいでした。ところが、「AIIB事件」後は、「中国経済はお先真っ暗」という報道一色になってきました。これは、「事実を報道している」という一面があります。
しかし、「報道が事実をつくる」という面もある。どういうことでしょうか?
なんの問題もない上場会社があったとしましょう。しかし、全新聞が、「A社は大きな問題抱えている!」と報じた。すると、必ずA社の株は暴落するでしょう。これは、「情報が現象をつくった」のです。
アメリカが、今年やるであろうことは、それと同じです。毎日毎日、「中国経済は崩壊する」と報道することで、実際に中国経済を崩壊させようとしている。
その他にも、「サイバーテロ」「人民元操作」「南シナ海問題」などなどで、アメリカは今年、中国をバッシングしつづけるでしょう。米中関係は、ますます悪化していきます。
2. ロシアとの和解をすすめる
これも、2015年にはじまった流れですね。「中国と対抗するために、ロシアと和解する」のです。結果、ウクライナは捨てられ、悲惨な状態になっていくことでしょう。
3. アメリカは、IS問題への関与を大幅に減らす
オバマさんは、「IS問題が一番重要だ」といっています。しかし、全世界の人が、「アメリカは、マジメにISと戦っていない」ことを知ってます。
1年以上空爆して、ほとんど何の成果も出ていなかった。理由は、ISが反米アサド政権と戦っていること。残虐なので表立って支援できないが、ISは「都合のいい存在」である。しかし根本理由は、「シェール革命で、中東の存在感が薄れたこと」なのです。
覇権国家アメリカが中東支配を緩くする。するとどうなるのでしょうか?
ソ連崩壊後、旧共産圏で紛争が多発した。それと同じような状況に、中東もなっていくと思います。シリアを見ると、
アサド現政権支持勢力:ロシア、イラン(シーア派)、シリア・アサド政権(シーア派の一派アラウィー)
vs
反アサド勢力:トルコ、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、アラブ首長国連邦、カタール(=スンニ派諸国)+シリア・「反アサド派」、IS
で、ごちゃごちゃになっていくと思われます。しかし、遠いアメリカは、知ったこっちゃない。というわけで2016年、アメリカの意向により世界は、
- 米中関係がますます悪化する
- 中国経済は、実際の悪さにアメリカのプロパガンダが加わり、ますます悪くなっていく
- アメリカとロシアは、和解にむかう
- ウクライナ問題は、忘れさられる
- アメリカは、IS問題への関与を減らし、シリアはゴチャゴチャになっていく
となります。