【書評】「日本一感動する講演」が書籍化。号泣必至の経営書に

 

僕は、宇宙開発はあることを実現するための手段だと考えています。それは「どうせ無理」という言葉をこの世からなくすことです

「よりよく」を求めなくなったとき、社会はダメになる

顧客満足というものは、お客さんを「いやあ、すごいな」とうならせることにあります。お客さんをさらに成長させることにあります。お客さんをチヤホヤすることは、お客さんの能力を低下させます

幼児というものは、やったことのないことをやりたがります。そして、あきらめません

アニメーションなんかくだらないと言う人がいますが、今、日本で、2本足で歩くロボットの開発が世界のどこよりも進んでいる理由は、ひとえに「鉄腕アトム」があったからです

僕たちはもしかすると、自分の愛する子どもたちの将来のことを思うあまり「あんたのためなんだから、この位牌を買いなさい」という霊感商法のような勢いで大学進学を無理やり勧めてはいないでしょうか。そして、子どもの大学進学の費用を稼ぐために、子どもとのコミュニケーションも犠牲にして働いているんじゃないでしょうか

ばあちゃんは教えてくれました。お金はくだらないよ、一晩で価値が変わっちゃうからね、と。お金があったら本を買いなさい、頭に入れてしまえば誰にも取られないし、その知識が必ず新しいことを生みだすと教えてくれたんです

国家の総力というものは、そこで暮らした人たちの流した血と汗と涙の蓄積です。それを文明という形で蓄積する方法もあるというのに、日本はゴミ捨て場や埋め立て地に蓄積しているのではないでしょうか

人生、最後に勝つのはどれだけ「やったか」です。どれだけ「もらったか」ではありません

誰かが信じてくれることを期待していてはいけません。信じるというのは、自分自身の覚悟のはずです

僕はアポロの着陸そのものを覚えてはいません。僕が覚えているのはじいちゃんのあぐらの中の温もりです。じいちゃんのあぐらの中に座った僕にテレビを見せながら、「人が月を歩いているぞ。すごい時代になったぞ。おまえもきっと月に行けるぞ」とじいちゃんは言っていました。自分が大好きだったじいちゃんの、今まで見たこともない喜びぶりが僕の中に記憶されました。だから、僕は飛行機やロケットが好きになったんです

日本の社会や教育に関する提言もあり、なぜ日本人にチャレンジ精神が足りないのか、なぜ日本経済が低迷しているのか、その理由がわかった気がしました。

受験してよい学校に行くのも大事ですが、それ以上に夢を持てる若者を増やすことのほうが大事。本書を読んで、そんなことに気づかされました。ぜひ読んでみることをおすすめします。

image by: Shutterstock

 

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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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