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東大卒タレントが解説。なぜドジで天然な女子のほうがモテるのか?

受験勉強も仕事もプライベートも、常に全力を出し切るように務めてきた東大大学院修了のタレント・木村美紀さん。しかし、あるとき彼女を変えたひとつの言葉があったというのです。その言葉とは何だったのか、自身のメルマガ『木村美紀が明かす家庭教育の秘策』で紹介しています。それは、日頃から頑張りすぎな皆さんに見てもらいたい、ニーチェの言葉です。

自分が持っている力の4分の3の力でのぞむ

物事にチャレンジするとき、特に大事な日や本番の日などに、“全力を尽くせ!”とか、“120%の力を出せ!”とか、激励メッセージをよく耳にしたことがあるのではないでしょうか。

もちろん自分のできる限りの力を尽くすように最大限努力することは、とても意味がある重要なことだと思います。

実際、小さいころから自分もそういう気持ちで挑んできました。

実力をすべて出し切りたい。

いや、本番では、運も味方してくれれば、実力以上のものが発揮できるのではないかと期待したりして。

受験生のときも、そんな気持ちでいました。

全力を尽くす! Do my best!

ノートにそんな言葉を家族に書いてもらって、入試の直前までずっと見つめていたこともあったなぁ。

自分の力をすべてぶつければ、できるはずだ。実力を100%出しきることできなかったから、浪人したんだろう。

そんなふうに思ったりもしていました。だんだん思考の癖のようなものになって固化していって。

それから、勉強も、仕事も、プライベートも、そんな姿勢をずっと心の中に抱き続けてきました。

でも、果たして本当にそうなのかな。

ふとそんな気持ちに変わったのは、ある言葉に出会ったのがきっかけでした。

私は哲学が昔から好きで、哲学者の言葉を集めた本が好きなのですが、ある本を読んでいて、ニーチェの言葉が心にグサリと響いたのです。

超訳ニーチェの言葉』(白鳥春彦・翻訳)という本の中から、ココロに響いた言葉を引用させて頂きます。

ニーチェの『人間的な、あまりに人間的な』という作品に登場する、こんな言葉をご紹介しましょう。

「力を入れすぎない」

自分の力の四分の三ほどの力で、作品なり仕事なりを完成させるくらいがちょうどいいものが出来上がる。

全力量を用い精魂を傾けて仕上げたものは、なんとも重苦しい印象があり、緊張を強いるものだからだ。
それは一種の不快さと濁った興奮を与えることをまぬかれない。
しかも、それにたずさわった人間の臭みというものがどこかついてまわる。

しかし、四分の三程度の力で仕上げたものは、どこか大らかな余裕といったものを感じさせる、ゆったりとした作品になる。
それは、一種の安心と健やかさを与える快適な印象を与える作品だ。
つまり、多くの人に受けいれられやすいものが出来上がるのだ。

なるほどなぁ~と心にスッと入ってきました。

作品を作ったり、仕事をしたりするのは、相手にみせたり相手の要求にこたえたりする類のもので、相手ありきの対人的な行動なので、なおさらそうなのかも。

すべての力をぶつけてしまうと、相手に威圧感を与えてしまったりすることもあるし、押し付けがましくて重く受け止められてしまうこともある。

「自分は全力でやりました」感が出てしまうのかも。

「これでどうや!」という、いわゆる、ドヤ顔のドヤ感。そんな来られても…ちょっといいや…ってなってしまいそうですよね。

完璧すぎても、圧倒されて終わるだけだし、相手が入りこむ余地や隙間がなくなってしまう可能性もある。

親近感や温かみを感じにくくなってしまうのかな。

だから、いくら自分が自己満足しようとも、全力を相手にぶつけることが必ずしもいいとは限らない。

だったら、適度に力を抜いた方がよいのかもしれません。

受け取る相手にとっては。

抜け感”が大事だと思うんです。ファッションでもよく使われる言葉ですね。完璧に決めすぎずに、どこか抜けている感じがいいのだとか。

適度な脱力感というか、適度なゆるさ

「力を抜けばいいんでしょ~ラクじゃん~」と一瞬思いがちですが、これが意外とムズカシイ。センスが必要。

そのちょうどいいあんばいが、ニーチェによると、4分の3の力ということなのでしょうか。

ちょっと抜けている感じの方が、ゆとりがあって、なんだか温かくて、居心地がよくて、安心感があるからこそ、皆が共感できて「いいね!」って多くの人に思ってもらえる。

完璧でスキがない真面目な人より、ちょっとドジで天然な子のほうが、魅力的でモテるのも、同じ?!

美男美女でカッコよすぎて美しすぎる人より、ちょっとダサカワイイくらいの人のほうが、親近感が出て人気になるのも、同じ?!

両想いで幸せ絶頂なラブソングより、ちょっと実らない恋心をうたったラブソングのほうが、なんだか感情移入できてせつなくなるのも、同じ!?
(幸せ絶頂にいる人はそうじゃないかも…!笑)

でも抜けすぎていても、頼りなくうつってしまうし、憧れの対象にはなりにくくなってしまう。

ちょっとラフさがあって、そこがやっぱイイよね!

そんな絶妙なラインを走るのは、案外むずかしくて、簡単に誰にでも真似できるものでもなさそう。

だからこそ、そういう生き方をしている人って、本当にすごいな~って思います。

私は特に頭がかたくて、へんに真面目すぎてしまって、型にとらわれすぎてしまう欠点があると自覚しています。

小さいころから優等生を目指さなきゃいけないと、無意識に思いながら過ごしていたせいか、「こうあるべきだ」「こういなくちゃいけない」と模範のイメージを崩さないようにという意識が働いてしまう。

それが真面目すぎて、面白み人間味を減らしてしまいかねない。

だから、完璧を目指しすぎないようにして、4分の3の力で適度に抜くことを心掛けたいと思います。

家庭教育でも、そうかもしれません。

子供に完璧を求めすぎてしまうと、親はイライラするかもしれない。

親に完璧を求めすぎてしまうと、子は物足りなくなるかもしれない。

4分の3くらいの力で接することは、親子関係をうまく築くうえでプラスになるかもしれませんね!

image by: Shutterstock

 

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