野菜をたくさん食べれば確実に死亡リスクが減る―中国研究機関が発表

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やっぱり野菜は体にいいみたいです。無料メルマガ『e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室』で、野菜をたくさん食べると、死亡リスク、特に心筋梗塞などを含む心血管死のリスクが顕著に低下するという研究結果が紹介されています。「たくさんってどれくらい?」という疑問にも具体的数値で答えてくださってますよ。

果物や野菜をたくさん食べると死亡リスクが低下するんだって?

今日は、果物や野菜をたくさん食べると死亡リスクが低下するんだって? というお話です。

果物や野菜の摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低下し、とくに心血管死が有意に抑制されることが、中国・山東大学のWang氏らの検討で示されました。

癌死リスクへの影響はほとんど無く、1日5食以上食べても、抑制効果は無くなることも確認されました。

慢性疾患の予防における重要な健康食として、果物や野菜を多く摂取することが広く推奨されています。その一方で、果物や野菜の摂取と死亡リスクの関連を評価した試験は多いものの、この関連を摂取量の程度に基づいた解析は行われていなかったそうです。

研究グループは、果物や野菜の摂取量と全死因死亡心血管死癌死の関連を検討するために、臨床試験の論文の解析を行いました。

データの収集には医学関連データベース(~2013年8月30日)を用い、果物や野菜の摂取量の程度に基づき全死因死亡、心血管死、癌死のリスクを計算しました。

83万3234人が解析の対象となり、フォローアップ期間は4.6~26年で、この間に5万6423人が死亡し、このうち心血管死が1万1512人、癌死が1万6817人でした。

果物や野菜の摂取量が多いほど全死因死亡のリスクが有意に低下したそうです。

すなわち、果物と野菜の摂取が1日に1食分増えるごとに、全死因死亡リスクが平均5%ずつ低下しました。

全死因死亡リスクは果物、野菜の摂取量依存性に低下し、1日4食までは有意差がみられましたが、5食以上を摂取してもそれ以上リスクは低下せず、果物や野菜は1日5食までが摂取量依存性に死亡リスクが低下すると考えられました。

心血管死のリスクは、果物や野菜の摂取が1日1食分増えるごとに4%ずつ有意に低下したそうですが、果物や野菜の摂取が1日1食分増えても、癌死のリスクとの間には明確な関連はみられなかったそうです。

著者は、「果物や野菜の摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低下し、なかでも心血管死が抑制されるとのエビデンスが得られた」とし、「これらの結果は、健康の増進や寿命の延長のために果物や野菜の摂取量を増やすべきとの現行の推奨を支持するもの」と指摘しています。

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