声優の花澤香菜さんとハイレゾプレイヤーを手がける「Astell&Kern(アステルアンドケルン)」のコラボが進行中。本体デザイン、オリジナルケース、そしてオリジナルのハイレゾ音源がプリインストールされることが決定しました。
今年4月に発売したアルバム「Blue Avenue」以来の新曲。今からとても楽しみですね。その楽曲を手がけるのは、ワールドワイドに活躍している今大注目のアーティスト「Mili」さん。そしてこのコラボを進行しているアニプレックスの大浜拓哉さんへのインタビューで、ピアノとヴァイオリン、チェロのトリオの編成を予定していることがわかっています。
そこで今回は、スタジオでの楽曲制作現場に潜入してきました。若き音楽家達が切磋琢磨して楽曲を良くしようとしている姿がとても印象的で、どんどん曲が良くなっていくのは感動です。またレコーディングエンジニアの杉山勇司さんへのインタビューも行いました。
若き才能がぶつかり、どんどん楽曲のクオリティーが上がっていく
今回楽曲を録るのは、世界でも有名なスタジオのひとつと言われるソニーミュージックスタジオ。
このスタジオでは、いきものがかりや中島美嘉さんなど、日本を代表するシンガーたちが録音してきています。
レコーディングエンジニアの杉山勇司さんが席につき、ピアノから録音を開始。
ピアノを担当するのはAYAKIさん。米国バークリー音楽大学に留学し、ジャズ・コンポジション科主席卒業。アメリカで培われた確かな感性とテクニックに定評があり、これまでにアルバム3枚をリリースしています。
ハイレゾのたくさんの音が聞こえるという特徴のために、一音一音にこだわり、ハッキリ聴こえるように何度も何度も弾いていました。その姿は鬼気迫る様子で、思わず見とれていました。
そして続いてヴァイオリンとチェロの録音へ。
ヴァイオリンはソロヴァイオリニスト、作曲家、アレンジャーとして多方面に渡り活躍中の門脇大輔さん。ストリングスアレンジ提供アーティストには、浜崎あゆみさん、EXILE、東方神起、ポルノグラフィティなど、そうそうたる面々。さらにレコーディング参加アーティストにも、矢沢永吉、嵐、SMAPと、こちらもビックネームが揃っています。
そしてチェロは、NHK大河ドラマ龍馬伝「龍馬伝紀行」テーマ曲のアレンジを担当し、「のだめカンタービレ」のレコーディング、ドラマ、映画に参加した村中俊之さん。
2人のアンサンブルでの録音でしたが、1フレーズごとに気になるシーンをチェックし、納得行くまで何度も録音していきます。すると音が良くなっていくのが確実にわかるのです。チェロの下支えにヴァイオリンの重厚な音が交わり、思わず涙が出そうになったほど。
そして納得いく音が録音できたところで、レコーディングは終了しました。
>>次ページ レコーディングエンジニアの杉山勇司さんにインタビュー
ピアノ、ヴァイオリン、チェロの演奏録音が終了したところで、今回の楽曲でレコーディングエンジニアを担当する杉山勇司さんにインタビューすることができました。
そもそもレコーディングエンジニアとは、CDなどの音楽レコーディングは多くの場合、ボーカルや楽器の種類別に録音作業をします。そこでその音を聞きながら別の楽器を入れたり、録り直すといった技術を担当。さらに録音が終了した後に、複数のトラックに録音された音源をミックスしたりといった作業をする専門技術者。
杉山さんは、これまでに東京スカパラダイスオーケストラ、X JAPAN、L’Arc-en-Ciel、広瀬香美など、数々の一流アーティストの楽曲でエンジニアを担当している方です。
今回、ハイレゾのみだからと言って、特別に録音方法を変えることはありません。もともと私は、CDに入らない音があるからといって、その音がいらないと思ってはいないので。
確かにCDでは入る音に限りがありますが、それに対して不満があったわけではないんです。CDならCDで、ベストなクオリティになるようにみんな努力していますから。
ただ思いがけないところで音が変えられてしまうこともあったんです。CD販売の時でも、もともとはハイレゾフォーマットで録音しているのだから、そのまま聞いてもらえたらいいのに、という思いもありました。
これまでもハイレゾを再生する環境はあったのですが、利便性や音質などで納得できるレベルで聞けるものがありませんでした。しかし最近、Astell&Kernなどのプレイヤーが出てから、これが標準になってくれればハイレゾで聞いてもらえるだろうなと。
もちろんどんな再生機で聞かれても音楽が伝わるようなミックスを心がけています。しかし再生機や環境によって細かなニュアンスが異なってしまうことも事実です。このAstell&Kernのプレイヤーであれば、自分が意図した音になっているので安心です。
花澤香菜さんの曲を今回はじめて録るので、とても楽しみにしています。可愛らしく落ち着いた声を伝えられるよう録音できればいいな、と思っています。
こうして楽曲の録音が済み、残すは花澤さんの歌となりました。次回のコラボ楽曲記事は、楽曲を手がけたMiliさんへのインタビューに行ってきたいと思います。乞うご期待ください。
●information
iriver(Astell&Kern)
http://www.iriver.jp/
花澤香菜公式サイト
http://www.hanazawakana-music.net/live/
花澤香菜×Astell&Kern 特設サイト
http://www.iriver.jp/kana_hanazawa/
花澤香菜STAFF公式ツイッター
https://twitter.com/hanazawa_staff
Mili Official Website
http://projectmili.com/mag-mell/
文/横田吉木
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