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意識すると見えてくる。街ナカで発見する「丸明オールド」探検記

先日まぐまぐニュースで紹介した記事も好評だった、普段の生活の中で見つけた文字にフォーカスする「まちもじ」特集。その第2弾が、メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』に早くも掲載されていました!

丸明オールド探検記

こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。前回より4回連続で「まちもじ」特集お送りしてます。今回は第2回です。

普段の生活の中で見つけた文字にフォーカスしたお話です。街中の看板やポスター、中刷り広告、テレビテロップなどから気になる文字を取り上げます。

僕の好きな文字のひとつに「丸明オールド」という書体があります。カタオカデザインワークスというフォントメーカーから発売されている書体で、タイプデザイナー(書体設計家)の片岡朗さんがデザインした書体です。

それでは『丸明オールド探検記』と題して、僕のとある一日の中で見つけた丸明オールドたちをご紹介します。

カフェオレフォントと命名

僕は東京メトロと都営地下鉄を乗り継いで会社に通っています。通勤の途中で、早速、丸明オールド発見しました!

この書体、見たことあるよね…? 丸明オールドは「ラテ」での使用率が高い気がする…。東京メトロ東西線の中刷り広告より。

「春」の漢字を観てください。明朝体のうろこは三角(▲)のような形をしていますよね。丸明はうろこが丸いのです。だから丸明(まるみん)だそうです。この書体が発売された2000年の頃は「がんみょう」とか「まるみょう」と読む人もいたとか…。

おおぉ、丸明は「生茶」との相性もいいね! 丸明はコマーシャルやポスターのキャプションでよく使われていますね。

丸明オールドはとても特徴ある書体ですね~。なつかしさがあるけどモダンな書体です。とくに「ル」「リ」「テ」のハライやハネに特徴があります。

早めに会社に着きました。僕の会社は東新宿駅の新宿イーストサイドスクエアというオフィスビルなんですが、一階にローソンとタリーズがあります。

まずはローソンとタリーズに立ち寄り、丸明を探索してみることにしましょう。

おぉー、ありました! ありました! この二つのお店で丸明オールド発見です。

タリーズの「ラテ」も丸明でした!

丸明は「杏仁豆腐」のイメージにもマッチしますね…w ところで、杏仁豆腐とラテの相性はどうなんだろうか? 結構、相性良かったりして…。今日、トライしてみようかな(笑)

ローソンの「マチカフェ MACHI café」の写真が超ピンボケだったので、替わりに競合のセブンイレブンで使用されている丸明をご紹介します。テレビコマーシャルでよく見かける「新しい今日がある」のキャッチコピー、丸明が使用されてるって知ってました?

なるほど、この書体はカフェオレやラテと相性がいいですね……。勝手に『カフェオレフォント』と命名したいと思います!

ちなみに僕はミルクたっぷりなカフェオレが大大大好きです……。カフェオレ&ラテ好きなのですが、まだ「杏仁豆腐&バニララテ」は試したことはありません……(笑) 杏仁豆腐とラテの関係は、ちょっと気になりますね……。

>>次ページ  丸明オールド、大漁です!

丸明オールド、大漁です!

ケンタッキーフライドチキンも大好きです。ランチはケンタしよう! ケンタの定番はオーソドックスですが「チキンフィレサンド」と「オリジナルチキン」です。

おっと、またまた、丸明オールド発見しました!

衣がたっぷりついてる感でてるね! パリパリチキンや塩チキンも食べたけど、やっぱ、オリジナルチキンが一番好きです。

お肉たっぷり感がでてる…。

この丸明、オリジナル字形をかなり太らせてますね。衣たっぷり感やお肉たっぷり感が醸し出されてますね。

午後は客先訪問が2件あるので、移動の間、キョロキョロしながら街中を探索することにしました。

意識して探索すると、どんどん、見つかるもんですね!

「幸せなエイジング。」のキャッチフレーズに丸明はマッチしますね。化粧品のキャッチフレーズは伝統的な明朝体が使われることが多いけど、丸明(トメやハライが丸い明朝体)は可愛らしさと親近感があって、だけど従来の明朝体の骨子ベースなので正統派イメージも感じます。

これも有名化粧品メーカーの製品キャッチコピーです。サイネージ広告で発見…。

大手旅行代理店のポスターで丸明を発見。「ハワイ」のカタカナ、印象に残りますね…。

スパークリング梅酒のポスターでも丸明が…! パッケージングにも使える書体です。スパークリング梅酒、飲みたくなった…(笑)

「目の付けどころがシャープでしょ」の時から丸明でしたね。シャープにはがんばってほしい!!!

ソフトバンク系のコマーシャルでも丸明がときどき使用されています…。

NTT系のコマーシャルでも丸明が使用されているね…。

客先での打ち合わせが終わったのが夕方だったので、直帰することにしちゃいましょう。

ここまで丸明オールドを見つけてしまったので(笑)、とことん探索することにしました。最寄駅のすぐ近くには、ドラッグストアのマツモトキヨシがあります。

ここでも丸明オールド、大漁です!

シャンプーのキャッチコピーにもマッチしてますね。丸明のカタカナはすごく印象に残りますが、丸明の生みの親、片岡さんいわく「丸明はカタカナ・ひらがなに特徴があるように思われているけど、漢字もすごく特徴あるんだよ。漢字もよく見てね~。漢字のエレメント(構成要素)もすべて「丸」ですから…。」と言ってました。

化粧品の製品名のロゴで使用されている事例です。

丸明は飲み物の製品名やキャッチコピーでも結構使われていますね。「梅仁丹」で画像検索していてください。おぉ~、これ見たことある! と感動すると思います。

ショッピングセンターのレストラン街にも寄り道しました。

キョロキョロ見渡すと、和食レストランの入口の大きなポスターに、なんか見たことある書体が使われているような気がするーーー。

「山椒七味」の文字は丸明じゃないです…。でも味わいあるなぁ…。この文字は「山本庵」という書体でこれも片岡さんが作ったフォントです。昨年発表された新書体です。もろみの説明文は丸明です。

「単品での販売…」の文字をよく見てください! 丸ゴシックだけど思いっきり丸いです。これも片岡さんが作った「丸丸ゴシック」というフォントです。こうやって観察してみると片岡さんの書体って「特徴がある書体だけどそれほど癖がない。特徴のあるフォントって癖があって飽きてしまいがち。でも飽きないということは丹精こめて丁寧に制作された書体なんだとうなぁ…。上品さと親しみやすさもあるよね。」って感じだと思います。

>>次ページ  口にしたり、肌に使うものに多く採用?

「丸明ハンター」の称号

日本人は丸ゴシック体が好きなように、丸い明朝体も好きなのかもしれません。トメやハライのエレメントが丸い明朝体は、丸明オールド以外にあまり見たことがありません。

なので「丸明朝体」というカテゴリーは聞いたことがありません(調べればあるかもしれません……)

探検の結果、丸明オールドは
・カフェオレやラテなどの飲み物
・フライドチキンなどの食料品
・化粧品やシャンプー
など、口にしたり、肌に使うものに多く採用されていることがわかりました。

この探検記を丸明を設計した片岡朗さんに見せたところ、『丸明ハンター』の称号いただきました!! 光栄です。

FontLoversというコミュニティ

文字好きな仲間で結成した「FontLovers」というコミュニティがあります。僕もスタッフの一人です。

先日、カタオカデザインワークスの片岡朗さんと木龍歩美さんをお招きして、「FontLovers #2」というイベントを開催しました。

参加者のブログ記事やイベント概要など紹介しますね。

FontLovers #2 参加者のブログ記事

FontLovers #2 イベント概要

FontLovers #1 イベント概要

Facebook FontLovers (公開グループ)

カタオカデザインワークス

今回はエレメントが丸い明朝体(丸明)にフォーカスしましたが、次回の第3話は明朝体や楷書体の、素敵な文字たちのまちもじをお送りする予定です。

image by:カタオカデザインワークスフォントライブラリーセブン&アイグループ

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