パターン1:ひとつの行動に対して理由が1つ
先ほどのテスト前の勉強のように、このパターンが最も行動が続かない状態です。また、子どもたちにもっともよく当てはまる典型的な状態です。
1つの行動に対して、理由が1つしかない場合、この理由がなくなってしまったらいったいどうなるでしょうか?
たとえば、今度は次のような場合を考えてみます。
- 行動:毎日勉強している
- 理由:受験生だから
この場合、受験生でなくなったときに勉強しなくなってしまう可能性があります。この子が毎日勉強をするという行動を支えていた理由が受験生であったためです。
一般的には、何も理由がない状態で、行動を継続することほど難しいものはありません。
「なんとなく毎日勉強しています」
という状態で、継続して勉強できる状態であればそれはすでに習慣化しているため安心できます。
しかし、そのレベルまで到達していない場合は、1つの行動に対して、理由が1つしかないというのは、すぐにその行動を継続することができなくなる可能性をはらんでいます。これは非常に不安定な状態と言えます。
パターン2:1つの行動に対して理由が2つ
先ほどのパターン1よりも、行動が継続しやすい状態になりました。理由が2つあれば、仮に2つの理由のうちの1つがなくなっても、もう1つの理由によって行動を支えることができるためです。
たとえば、次のような場合を考えてみます。
- 行動:毎日勉強している
- 理由:受験生だから
お医者さんになりたいから
先ほどのパターン1との違いは、2つ目の理由である「お医者さんになりたいから」が加わっていることです。
この場合、パターン1と違って仮に受験生でなくなったとしても、勉強を続けることができます。将来、希望しているお医者さんになりたいからです。そのため、毎日勉強することができます。
またもし仮に将来お医者さんになりたくなくなったとしても、勉強を続けることができます。それは受験生だと思っているからです。
理由が2つあれば、どちらか一方の理由がなくなったとしても、もう一方の理由で行動を支えることができるようになります。
そのためパターン2は、パターン1よりも継続して行動することができます。パターン1よりも、より安定している、と言えます。