問題はテストが終わった後。子供のやる気を「オン」にし続けるコツ

 

パターン3:1つの行動に対して理由が3つ

上記のパターン1・パターン2よりも、さらに行動の継続が強固にできるようになります。理屈はこれまでと同様です。

3つある理由のうち、1つの理由がなくなってしまっても、他の2つの理由があります。この理由によって行動を支えることができ、継続することができます。

また、2つの理由がなくなったとしても、残りの1つの理由があります。理由が1つあるために行動を支えることができるわけです。

たとえば、次のような場合を考えてみます。

  • 行動:毎日勉強する
  • 理由:受験生だから
    お医者さんになりたいから
    楽しいから

先ほどのパターン2との違いは、3つ目の理由である「楽しいから」が加わっていることです。この場合、3つの理由があるので、「受験生だから」「お医者さんになりたいから」「楽しいから」のうちのどれか1つの理由がなくなっても、他の2つの理由で行動を継続することができます。

たとえば、勉強が楽しくなくなってしまっても、「受験生だから」「お医者さんになりたいから」毎日勉強します。

たとえば、受験生でなくなってしまっても、「お医者さんになりたいから」「楽しいから」毎日勉強します。

3つの理由があれば、1つの理由がなくなっても残り2つの理由があるので、行動を継続することができます。

また、同様の考え方で、2つの理由がなくなっても、残りの1つ理由があるので行動を支え継続することができます。

結果、パターン3は、パターン1・パターン2よりも行動の継続が容易になります。

20-3

以上のように、パターン1・2・3と行動と理由との関係をみてきました。理由は、4つ、5つ、6つ、と可能な限り考えだしておくと、より行動の継続が強固なものとなります。そのためできる限り多くの理由を考えだしておいたほうがいいでしょう。

ただ現実的には、いきなり3つも4つも理由を明確にすることはできないかもしれません。その場合は、1つずつゆっくり増やしていってください。

ポイントを1つあげるとすれば、その行動を行う上で1つの理由だけで満足してしまい、さらなる理由を考えることをストップさせてしまわないことが肝心です。

実用的には、その行動を行っている間に、その行動を継続するのに必要な別の理由を作り出すことで少しずつ強固に行動を継続できるように促していきます。

理由の数を1つだけから2つへ。2つだけから3つへ。3つだけから4つへ…と次々に増やしていくことが行動を継続させる上での秘訣です。

では、さっそく紙と鉛筆を用意して考えてみましょう! 次のようにお子様へ声かけしてみましょう。

「どうして○○をするの?」
「その理由を思いつく限り書き出してみようか!」

お子様なりの理由をどんどん考えさせてみてくださいね。

image by: Shutterstock

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