なぜスターバックスの人気コーヒーランキングは「顧客投票」なのか?

 

投票型のランキングで顧客を巻き込んでいる

先ほどのスターバックスのランキングでは、利用客が「投票」できるところに更なる面白さがあります。「顧客参加型」となっています。店側が提示するランキングでも興味深いものですが、利用客による投票とすることで結果への信頼感がより増すことになり、興味深さもより増幅します。投票行為により利用客と店の間に双方向コミュニケーションが発生し、緩やかながらも、両者には絆が生まれます。

ちなみに、ランキング1位はカフェ ベロナ」でした。19枚のシールが貼られていました。「カフェ ベロナ」がどのようなコーヒーなのかが気になったので調べてみました。ダークココアのような口あたりで、豊かな味わいが特徴のようです。ランキングには、このように商品に興味を持つ顧客が増えるという効果があります。ランキングには宣伝効果もあるのです。

それにしても、スターバックスは双方向コミュニケーションが上手な企業だとつくづく感じます。顧客に対する一方的なコミュニケーションを行うのではなく、顧客からのコミュニケーションを受け取ることも積極的に行っています。コミュニケーションが双方向なのです。そして、今の時代は「顧客参加型」が双方向コミュニケーションのカギとなります。

スタバは顧客参加型のイベントを数多く実施している

スターバックスは顧客参加型のイベントを積極的に開催しています。地域の人々が参加する「コミュニティ コネクション」を2007年から行っています。テイスティングパーティーやキッズパーティーなど、年間5,000件を超える様々な活動を行っています。

この夏には、高校生が企画するプログラム「Youth Connection @ STARBUCKS」が行われます。高校生がイベントを自ら企画して開催する4日間のプログラムです。2~4名の高校生が1つのチームとなり、スターバックスがサポートし、自由な発想で地域を明るくするプログラムをつくります。全国のスターバックスで実施されます。

このプログラムへの参加費用は無料です。スターバックスがイベント開催の費用を負担します。このイベントで収益が見込めるわけではありません。短期的には費用損失が大きくメリットがないようにも思えます。それでもなぜ、スターバックスはこうしたイベントを開催するのでしょうか。

こうした顧客参加型のイベントは顧客との関係性を強化する働きがあります。参加した人はスターバックスを好きになり「ファン」になります。ファンになった顧客は長期に渡ってスターバックスを利用するようになります。生涯に渡ってもたらされる利益は、イベント開催のコストを上回ることになるでしょう。長期的には利益はプラスになると見込んでいるのです。

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