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糖質制限中だけどワインが飲みたい…。赤と白、どっちなら大丈夫?

最近、「糖質オフ」などと書かれたビールをよく見かけるようになりました。病気でなくても健やかな毎日を過ごすために、日頃飲んでいるお酒の「糖質」について知っておきたいですよね。今回の『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、著者で糖質制限の提唱者としても知られる医師の江部康二先生が「ワイン」の糖質についてわかりやすく解説して下さいました。

ワインの糖質考察

ワインに比較的多く含まれている、グリセリン有機酸について考えてみます。

一般にグリセリンはアルコールとして分類されてます。

では、アルコールは炭水化物として分類されているのでしょうか?

五訂日本食品標準成分表では、アルコールは欄外に炭水化物からの除外物質として、カフェインなどと共に表記されています。(*)

即ちグリセリン(アルコール)は、炭水化物からの除外物質として、五訂日本食品標準成分表では炭水化物にはカウントされずアルコールとして分類されている可能性があります。

次に有機酸について考えてみます。

ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、などがあります。

五訂日本食品標準成分表では、窒素を測定してタンパク質成分と計算するので、アミノ酸はタンパク質として計算されていることになります。

一方、有機酸には窒素は含まれていないので、タンパク質成分には属しません。

また有機酸は、ワインに含まれていて水に溶けるので、脂質にも分類されません。

そうすると、有機酸は「水分、たんぱく質、脂質及び灰分」には分類されないので、残り物として炭水化物に分類されることになります。

五訂日本食品標準成分表では、赤ワインの成分は100g中に

・水分:88.7g

・タンパク質:0.2g→全てアミノ酸

・脂質:0.0g

・炭水化物:1.5g

・灰分:0.3g

「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.7g

この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.3g。

合わせて100gになります。

赤ワインの成分の中で炭水化物(1.5g)に分類されているものは、有機酸、ブドウ糖、果糖、ポリフェノール、糖アルコールなどです。

有機酸は血糖値を上昇させません

ポリフェノールも血糖値を上昇させません

エリスリトール以外の糖アルコールはショ糖の半分くらい血糖値を上昇させます

果糖はショ糖の1/5くらい血糖値を上昇させます

一般に残糖のうち果糖が過半数を占めていて、ブドウ糖は極少量です。

グリセリンがアルコールに分類されているのか否か、確認できていないのですが、赤ワインの場合、タンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが約0.2g/100g含まれています。

また有機酸が、約0.6g/100g含まれています。

そうすると、グリセリンはアルコールとして計算されていて、炭水化物には含まれていないとしても、赤ワイン100ml中の炭水化物に分類されている物質の中で、

「有機酸0.6g+ポリフェノール0.2g=0.8g」

は血糖値を上昇させません。

残った0.7gの血糖値を上昇させる炭水化物の内、果糖と糖アルコールがほとんどで、ブドウ糖は少量です。

果糖がブドウ糖の1/5、エリスリトール以外の糖アルコールが1/2血糖値を上げるとしてもかなり低い数値になりますので、やはり赤ワインは糖質制限食OK食材といえますね。

白ワインはポリフェノールが少なく0.05gくらいです。有機酸0.6gと合わせて、0.65gが血糖値を上げない炭水化物です。

残りの1.35gが血糖値を上げる糖質で、赤ワインの約2倍です。

しかし辛口なら、残糖(果糖とブドウ糖)は0.4g/100gなので、糖質制限食OK食材ですね。

image by:  Shutterstock

 

糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ
著者/江部康二
漢方医、糖尿病医として有名な江部康二による美容・健康メルマガ。自ら提唱・実践している、効果バツグンの糖尿病治療法&メタボ対策「糖質制限食療法」に関する話題など、2007年から長期に渡り書き綴られている大人気ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の内容を整理・要約し、適宜最新情報を加筆してお届けする、いわば「進化版徒然日記」です。
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