ポイントは親指。医師が小声で教える「疲れないスマホ」の選び方

 

指の長さも考慮

さて、スマホのサイズの話にまた戻りましょう。九州大学の研究によると、高齢の人と親指の長い人では少し大きめのサイズのスマホのほうが親指の動作パフォーマンスがよくなるとのことですので、ユーザーは自分の「指の長さ」にフィットするスマホを使うとよいということです。

電車の中で人々がどのようにスマホを動作しているかを調べた台湾の研究では、立っているときは多くの人が片手で操作し、座っているときは両手で操作していることが多かったとのことです。しかしながら、片手操作は落下のリスクが高くなるしパフォーマンスも両手操作のほうがベターです。

もちろん、スマホの購入は親指の「健康」のみで決められるはずではありませんが、ぜひこのエルゴノミクスの研究結果も考慮したスマホ選びをするとより賢い選択ができるようになると思いますよ。

私自身のスマホの用途はといえば、メールを読んだり、調べ物をしたり、いろいろです。最近では、電車に乗っていても、ノイズキャンセリングイヤホーンで騒音から耳を保護しながら、好きなジャズのライブシーンをユーチューブで見ていると、私だけのシアター空間となります。その場合、画面のサイズは小さ目でもいい感じですね。

文献

Trudeau MB, Young JG, Jindrich DL, Dennerlein JT. Thumb motor performance varies with thumb and wrist posture during single-handed mobile phone use. Journal of biomechanics 2012;45:2349-54.

Xiong J, Muraki S. Effects of age, thumb length and screen size on thumb movement coverage on smartphone touchscreens. International Journal of Industrial Ergonomics 2016;53:140-8.

Liang H-W, Hwang Y-H. Mobile phone use behaviors and postures on public transportation systems. PloS one 2016;11:e0148419.

image by: Shutterstock.com

 

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