その時、人々が思いついたのが日本です。熊本地震も記憶に新しいことから、地震といえば日本という構図ができているようです。人々は個々にネットで探して日本の防災マニュアルをダウンロードしたり、ネットショップで防災グッズを購入したりする動きがまたたく間に広がりました。
● 尾を引く韓国襲った観測史上最大の地震の衝撃、余震のたびに通報殺到、日本製防災グッズの売り上げ急増
中でも人気だったのは、舛添都知事時代に東京都で配布された「東京防災」。ハングル版もあったことが理由のようですが、その内容は地震対策として用意するものリスト、地震が起こったらどう行動するのかといった指南などです。
地震を知らなかった韓国人にとって、防災バッグも無縁でした。そのため非常用バッグには何を入れていいのかさえ分からない。そこで、ネットでは日本の「避難グッズ19点セット」が大量に売れたりもしました。そういえば、セウォル号事故のときも、とにかく日本に助けを求めろという声が挙がっていたことを思い出します。
韓国の国営テレビも、地震発生時にはテロップを流しただけで、通常のドラマを放映し続けたのんびりさ。今回は死者が出なかったから批判が最小限で済んだものの、被害者や被害がもっと大きかったらさらにパニックになっていたでしょう。
これまで日本に批判的な論調を繰り返してきた韓国の中央日報も、今回ばかりは日本を引き合いに出して、日本政府の対応の迅速さを賞賛していました。
もちろん地震知らずの韓国では、建物への耐震構造もあまり考慮されていません。そのため、日本では避難先に学校の体育館や公民館などが選ばれますが、韓国ではどこへいっても安全な場所がない状態です。
韓国は、経済不振に加え、看板企業であるサムスン電子が実績不振。北朝鮮は核実験で挑発を続ける。北をめぐって日米と歩みを共にすることで、中国との関係も不安定、などと様々な問題を抱えています。何一ついいところを見せられない韓国ですが、これを機に日韓の新たな関係を築くことができればいいでしょう。