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ソムリエも脱帽? 科学の力で「安酒」はもっともっと美味くなる

お安いワインや日本酒は、やはり味もお値段相応、それでもやっぱり美味しく飲みたい…。お酒好きな方なら誰しも一度は思うようなこんな願望に、無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』の著者で科学者のくられさんがお応えくださいました。科学の力で赤白ワイン・日本酒を「ドーピング」する方法、大公開です。

酒のうまさをドーピング

自分は酒を飲まない…というか飲めないのですが、度々、安酒を美味しくする方法を尋ねられるので、いくつか紹介しておきます。繰り返しますが、自分は下戸なので、以下のレシピが100%動作するかどうかは保証しかねますw

白ワイン改造

白ワインの高級かどうかは、熟成期間によるものが大きいと言われています。だったら科学の力でこれまた超速熟成あるのみ。

1)1本500円くらいの安い白ワインに、グリシンと呼ばれるアミノ酸を100mgひとつまみくらい程度、そしてちょっと高めの高級みりんを10cc程(もっと少なくても良い)を添加物として加えます。グリシンのうまみ、高級みりんの熟成したうまみが添加されます(グリシンは最近はネット通販で)。

2)次に眼鏡洗浄機に水を少し入れワインボトルをセットします。これによって、何年もかけて行われるアルコールと水分子の混ざりの良さ(口当たり)を一気に進めるタイムマシンのような反応です。実際に超音波攪拌を行ってエイジングを行う専用装置も売られています。眼鏡洗浄機は最低でも20Wクラス。可能であれば40W以上のハイパワーなものがオススメです。

3)後は普通の白ワインとして飲むだけです。酒好きも唸らせる、偽装ワインのできあがりです。

赤ワイン改造

1)赤ワインの偽装はもっと簡単です。高級赤ワインは、年代を経ることで、その中にごく微量含まれる酵母の死骸が分解され、だし醤油にもにた芳醇な香りを併せ持つことで知られています。だったら醤油を入れればいいやんけということで、ワイングラス1杯あたり1~2滴という極微量入れすぎ注意の醤油を加えます。

2)後は白ワインと同じように眼鏡洗浄機で超音波ムィーンするだけです。超音波拡販は700mlワインでおよそ10分~20分。眼鏡洗浄機は連続使用すると壊れることもあるので、インターバルをあけて5分刻みで2、3回かけるといいでしょう。

また、甘みのあるワインであれば、色にあわせたレーズンを買ってきて全体の10%程中に沈めてブドウの風味をワインに写すという方法はワイナリーの間で禁じ手としてつかわれているそうです。

日本酒改造

日本酒の醍醐味。それは香り! だったら香料で…と思うところですが、日本酒に付けて良い香りの香料は入手が困難です。そんなわけで、白ワインの時の高級みりん、そしてコウジを使います。

1)まず、甘酒用のコウジを適当にほぐし、コップにいれ、それを弱のこたつの中などで2、3日熟成させます。それを安物の日本酒にどぼどぼ入れていきます。日本酒特有の芳醇な香りが甘酒コウジから添加されます。

2)次に、高級みりんを、日本酒1リットルあたり30mlも入れれば十分です。このドーピング日本酒は、すぐに飲むより、さらに2、3日冷蔵庫で寝かせてインチキ熟成させることで、安定すると思われます。あとは注ぐときに茶こしやザルなどでコウジの米粒を取り除き飲むだけです。

 image by: Shutterstock
 
 
アリエナイ科学メルマ
著者/くられ
シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。
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