ステーキと添え物のポテト、本当に身体に悪いのはどちらか?

 

砂糖と脂肪

実際、1970年代にアメリカ政府やアメリカの主な栄養関係団体は、低脂肪高炭水化物の食事を摂取するように推奨し始めました。その後の40年間にアメリカ人で見られた現象は、言うまでもなく、肥満と糖尿病の爆発的な増加です。一方で、アメリカ人の食事における脂肪成分の摂取量は平均して25%も減っていたのです。

最近の研究から、加工した糖分の摂取が最も肥満や糖尿病につながることが判明しました。特にチップス、クラッカー、クッキー、そして糖分入りの甘いドリンクです。そしてついに2015年に、アメリカの栄養所要量の基準から1日の脂肪摂取上限量が撤廃されたのです。

1960年代までのアメリカ人はもともと高脂肪食を食べていました。総カロリーの40%以上が脂肪でした。1グラムあたりのカロリーでみると脂肪は9キロカロリーであり、炭水化物は4キロカロリーです。総カロリー量を減らすことが重視されていたので脂肪はターゲットになったのです。また、脂肪を糖分に置き換えることによって、総カロリー量を減らすことができ、そして減量につながると言われました。ドリンクに砂糖を加えることによって空腹を抑えることができるので、過食を予防出来て減量につながるとさえ言われました。

しかしながら、このような単純なエネルギーバランス説は崩壊しました。最近の研究によると、食事における脂肪摂取の制限は様々な疾患のリスクを高めることがわかりました。

食事中の脂肪摂取割合と体の脂肪の割合との関連はない、ということもわかりました。高炭水化物食品であるフライドポテトや糖分入りのドリンクを多くとる人の方が、高脂肪食品であるナッツやヨーグルトなどを多くとる人と比べて、肥満になりやすくなります。高炭水化物食をよく取る人々はむしろ心臓病のリスクも高くなっています。PREDIMED研究によると、低脂肪食の人々と比べて、高脂肪食の人々の方が心臓血管病の発生が少なくなっています

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