砂糖よさらば
低脂肪食は、飢餓を誘発し、基礎代謝率を低下させ、体重を減らすのが難しくなります。一方で、低炭水化物食は、飢餓が抑え、基礎代謝率が高まり、体重を減らしやすくなります。低炭水化物食ではまた、インスリンの分泌が少なくなりますので、脂肪がつきにくくなります。
以上のことから、炭水化物を脂肪の代わりに多く摂取すべきという食事内容の推奨は、有害であり、栄養学的に間違っていたといえます。2015年のアメリカのガイドラインからはそのことが伝えられるようになりました。
しかしながら砂糖関連会社の影響はまだ強く残っています。1960年代から70年代にかけての、脂肪の摂取が心臓病の原因であって炭水化物の摂取は問題無い、という研究結果がいまだに影響を残しているのです。そしてその研究結果は、実は砂糖関連会社が背後で捏造していたということが判明したのです。訴訟大国のアメリカですから、多数の肥満者が立ち上がりこれらの砂糖関連会社に対して集団訴訟を起こす可能性もあるといえます。
単純なエネルギーバランスではアメリカにおける肥満の急激な増加は説明できません。炭水化物、特に砂糖、の取りすぎが最大の原因といえます。実は、世界最高の健康食と言われている地中海食は高脂肪食です。オリーブオイルをたっぷりと使い、ナッツをよくとっています。オリーブオイルもナッツも脂肪でしたね。
文献
Kearns CE et al. Sugar industry and coronary heart disease research: a historical analysis of internal industry documents. AMA Intern Med. Published online September 12, 2016.
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