これぞ大和ごころ。天皇陛下の一般参賀に見る「日本人の心ばえ」

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天皇誕生日である12月23日に皇居で行われる「一般参賀」。多いときで2万人を超える参賀者があるそうですが、そこにはある独特な空気が流れているといいます。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、数年前に実際に参列した著者がそこで感じ取ったという「日本人の心ばえ」が記されています。

日本人の心ばえ

12月23日は天皇誕生日で祝日。皇居では、祝賀の儀などの儀式と一般参賀が行われ、伊勢神宮などでは天長祭が行われます。

数年前ですが、天皇誕生日の一般参賀に参列しました。午前中に三度、長和殿のベランダに天皇陛下がお出ましになります。

参列者は、皇居正門(二重橋)から参入して、参賀会場を経て、奥の門から退出するという「一方通行」です。最も多い時で2万人を超える人が参列するそうです。

この一般参賀で最も感激したのは、日本人の心ばえでした。

数千人の人が天皇陛下、皇族の皆様のお出ましを待っています。寒空の中待っているのですが、皆、それぞれ一緒に来た人たちとおしゃべりに興じています。それなりにざわざわしているのです。

でも、無理やり前に行こうとしたりする人もいなければ、押し合い圧し合いもありません。そして、「間も無く……」とアナウンスが入った瞬間に

しーーーーーーーん

となるのです。

「お静かに願います」などの一言は全く不要。いよいよお出ましだとわかったら、みんなが口をつぐみます。陛下のお言葉の間も、私語をかわすような人はいません。じっと聴き入ります。

終わったら、退出するのですが、数千人が移動するにも関わらず、なんというか「混雑」という印象が全くありません。誰も走らない。無理に追い抜かない。静かにそれぞれのペースで歩いていくだけです。

なんとも心地の良い、安心した空間でした。

何も言わなくても、それぞれが取るべき態度をわきまえ、他人に無理強いもしない。お互いにお互いを気遣い、だからお互いに安心できる空間ができる。

ああ、これが日本人の心ばえだなあと感じました。

時間に追われ、ついつい心の余裕がなくなりがちですが、時々でもこういう心ばえを思い出したいと思います。

image by: Shutterstock

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