【書評】倒産寸前の小さな航空会社を救った、団塊世代社長の奇跡

 

出典は、最近読んだこの本です。天草エアラインの経営再建に務めた奥島元社長の著作。社内改革と地方再生のヒントが多く載ってます。

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日本一小さな航空会社の大きな奇跡の物語
―業界の常識を破った天草エアラインの「復活」

(奥島透 著/ダイヤモンド・ビッグ社)

マイナスポイントの克服はエンターテインメントにしてしまうと、楽しくもあり、話題にもなり、関係者のやる気につながります。

例えば、ゴミの散乱が問題になっていたとしたら、「その費用は誰が出してくれるのか」「その面倒な作業を誰がやってくれるのか」といった、腫れ物を触るような会議をやっていると、結局じゃあ放置で、という結論にもなりやすく実行したとしてもみんなイヤイヤやります。

それだったら、まるで遠足のように楽しいゴミ拾い会にしてしまえばいいのです。例えばゴミ袋に動物キャラのイラストを描いて、どんどんゴミを入れていってその動物を何匹お腹いっぱいにすることができるか、といったことを競ったりする。企業にはゴミ袋1つにつき景品をくれるようなタイアップで参加してもらう。

そんな「楽しみながらやろうー」というイベントは、参加している人も楽しんでくれるし、さらにその様子を見た外野の人たちも、面白そうだと思ったらどんどん参加してくれます。そして、そんな面白そうな雰囲気の場所には、「協力したい」という人が力を貸してくれたりお金を出してくれたりするのです。

お金が足りないとなると、楽しい募金企画をやる。勉強が必要だとなると、楽しく教えられる人を呼んでワイワイ勉強会をやる。有能な人材が足りないとなると、有能な人材がないことで困っていることを面白おかしく描く映像や漫画を作る。

何だって、楽しくできるのです。

何か困ったこと、解決しなければならないことがあれば、「それをエンタメにできないか?」とまず考える意識を持ちたいものです。そうすれば、地域の人や業界の人たちも楽しんで参加し、面白そうだという人も寄ってきて、どんどん人の輪が増えていくのです。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

  • 現在、自社が悩んでいる「解決しなければならないこと」「困っていること」を、小さいものから大きいものまで全てノートに列挙する。
  • それを解決すること自体をエンタメ企画にするとしたらどんなことが考えられるか。予算はあまり気にせずに自由にアイデアをノートに書く。

image by: Shutterstock.com

 

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【著者】 弘中勝 【発行周期】 日刊

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