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大ヒット作「踊る大捜査線」の原点となった、萩本欽一からの一言

年齢を重ねるごとに、物事に対する視野は狭くなっていきがちなもの。そこに甘んじていては、それこそ無難なものは生み出せたとしても、お客様の価値観を根底から揺るがすような商品や作品を作るのは難しいのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では、著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、「踊る大捜査線」など数々のヒット作を手掛けた脚本家・君塚良一さんが萩本欽一さんにかけられたある言葉を取り上げながら、「視野を拡げる」ということについて考察しています。

視野を拡げるからこそ

視野が狭いというのは、一般的に自分に興味、関心が無いもの以外に興味や関心が向かないことだと定義されています。したがって、視野を拡げることは、興味や関心のないものにも目を向けてみる、ということです。

仕事のクオリティを高めたり、新規事業を立ち上げたり、新製品を開発したり、あるいは、現在以上に会社を発展させたいというのであれば、視野は拡げておくことが必要ではないでしょうか。

以前、「踊る大捜査線の脚本家君塚良一さんがインタビューでとても興味深いことを仰っていました。

君塚さんは、映画監督志望で業界に入ったそうなのですが、東宝撮影所でのアルバイト経験から映画監督への興味が無くなり、テレビの世界へ関心を持つようになりました。萩本欽一さんの下、主にコントの脚本を書いていたのだそうです。

でもいずれは「やはり映画の世界で脚本を書きたい」という目標は失わずにいたそうです。そのことを知った欽ちゃんは、君塚さんに言ったそうです。「登るべき頂上がちゃんとあるんだったら、多少時間はかかっても山道はくねくねと登った方がいい」と。

「映画の脚本家になるという1つの頂上を目指すにも視野を拡げて色々なことを学んで栄養にしていくといい。それは決して回り道ではない」というようなアドバイスでした。

それから、君塚さんの仕事の幅は広がりました。明石家さんまさん主演の「心はロンリー気持ちは…」というお笑い要素を存分に散りばめたドラマの脚本を手がけ、その後「世にも奇妙な物語」など多数のドラマの脚本を手がけることに。そして、冬彦さんでヒットした「ずっとあなたが好きだった」を手がけた後、「踊る大捜査線」の脚本家として、大成していくことになりました。

氏曰く、「欽ちゃんの下、コメディ、コントの脚本をやっていなかったら、今の自分はない」。「映画の脚本化としてまっすぐの道しか歩んでいなかったら、冬彦さんというキャラクターも生み出されることはなかったし、コメディ、コントの作家として下積みをしたからこそ、踊る大捜査線の劇中にあるコミカルなものを取り入れることができた」。

視野を拡げるとはこういうことを言うのでしょう。

一見すると、自分の目指すべきものと違う分野のことかも知れないけど、違う分野にも目を向け取り組んでみる。その結果、目指すものの中に新たな要素として取り入れられる。それがこれまで知らずに培ってきた固定概念を壊すことになり、新たな価値が創出される。いわば、血肉となってやがてはカタチになる、といったところでしょうか。

と、このように視野を拡げる思考や発想、行動というのは、様々な場面で求められることでもあります。たとえば「他社との差別化をしたい」という企業やお店の経営者は多いのですが、そもそも差別化をする対象が同業界の企業やお店であるというのがほとんどです。

ですが、視野を少し拡げてみると、必ずしもライバルは同業界だけではない、ということに気が付くのです。

たとえば、折込チラシを作るとしましょう。同業他社より目立ち、明らかに差別化を打ち出しインパクトもあるものが出来たとします。ですが、それでは不十分。差別化でもなんでもありません。

どういうことかというと、折込には、不動産のチラシもあればスーパーのチラシ、ピザのチラシだって混ざっている。それら全てがライバルである、ということです。即ち、同業他社との差別化にはなっているチラシも他業界とのチラシに比べれば全く差別化になっていない。ということです。消費者にとっては他と同じチラシ」なのです。

ということは、まだまだクオリティを上げる余地が残されているということになります。

うちは、○○業界だからとか、○○地区で商売しているから、というような決め付けだけで制限していては、視野は拡がることはありません。よって、新たな価値を創出する機会もありません。

成長や発展には視野を拡げるということは必要不可欠です。商品やサービスにこだわりがあるからこそ、その質を上げるため、視野を拡げる必要があるのです。自分の関心や興味の無いもの自社とは一見関わりの無いことなどにも触れてみることが必要なのです。

視野を拡げるとはどういうことか? 視野を拡げることによって、お客様にどのような新しい価値を創出し提供することができるのか? 一度考えてみてはいかがでしょう? 殻を破り、さらなる成長や発展のきっかけとなるはずです。

■今日のまとめ

『視野を拡げることで新たな価値を創出する。』

  • 視野を拡げることが自分や周りにとってどんなプラス要素になるか?考えまとめてみる
  • 実際に視野を拡げるためにどのような工夫ができるか?考えノートに書き出す
  •  書き出したことを今日から実践する
 
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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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