出典は、最近読んだこの本です。有名寿司店「すしざんまい」の木村社長の著作。経営判断のスピード感がとてつもなく凄いです。
『マグロ大王 木村清』
(木村清 著/講談社)
データだけでは、実態は分かりません。市場調査をしてみたり、売上状況を見たりして、「この時期や時間帯やお客様は来ないものだ。この時期や時間帯にしか来ないものだ」とデータの数値を見ても、それはあくまで今までの状況の表面の話です。
「行きたくても、行けなかった」
「知らなかったから、行かなかった」
という人の気持ちは、そこには表示されていません。だから、新しいビジネスを生むというのは、そんなデータには表示されていない、隠れた需要を感じ取ったり、信じたりしなければなりません。
「こういう人たちは、こんなサービスがあったらいいのにと思っている」
「こういう人たちには、こんな商品があれば便利に違いない」
という新しいマーケットを生み出すためには、現況のデータだけでは分からないのです。
そして、実際にやってみてお客様が来なかった、売れなかった、といっても、「ここには需要はないんだ」と簡単に判断してはいけません。必ずどこかに、それを必要としている人がいます。それを見つけることができることこそ、経営者やマーケティング担当者のセンスです。
「これまで誰も手を差し伸べてくれなかったから、こんな商品・サービスを待っていた!」という人たちにとっては、出てきた選択肢は一つしかないのですから、一斉に頼りにしてくれて、市場を一気に掴めます。
まだまだ、そんな手付かずのマーケットが、世の中にはたくさん隠れているのです。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
- 自分たちの業界ではほとんど進出していない、もしくはほとんど売れていない、時間帯、エリア、価格帯、曜日などの範囲をノートに列挙する。
- そこに業界人が誰も進出していないことで困っている、不便をしている、という人たちにはどのような人がいるか。ノートに列挙する。
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