在米日本人作家が警告する、トランプ・リスク「最悪のケース」

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その過激な発言と行動が世界中で大混乱を巻き起こしている、トランプ新大統領。日本でも「メキシコの壁」「世界7カ国からの入国制限」などといった公約に関するニュースが報道されていますが、彼を大統領に選んだアメリカ本国では、どんな評価や報道がなされているのでしょうか。そこで、メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の著者で米国在住の作家・ジャーナリストの冷泉彰彦さんに、日本からは見えないトランプ政権の現状と展望についてお話をうかがいました。

冷泉彰彦が予測するトランプ政権の未来と火種

――冷泉さんは長年アメリカに滞在されているということで、大統領が変わる節目のタイミングも何度か経験されていると思うんですが、今回のトランプ大統領に関しては、現地の空気感はかなり違うものなのではないでしょうか?

冷泉:もう全然違いますね。前回のオバマ大統領のときは、ものすごい数の人がワシントンに集まって「良かった、良かった」ってやったわけですね。まぁ、それはちょっと例外だとしても、その前のブッシュ大統領のときはどうだったかっていうと、さすがにそこまでの熱狂ではなかったけれど、「一応選ばれて大統領になるんだから、期待しようか」みたいな空気があって、大きな反対の声っていうのはなかったんです。

さらにクリントン大統領の時を振り返っても、その時は「ベトナム反戦運動をやってたベービーブーマーが、大統領になるなんてとんでもない」「それじゃ、俺たちベトナムで苦労した人間は何なのさ」ってことで、右翼がちょっと騒いだりとかはあったんですが、それと比べても今回ほど異様な空気の中で大統領就任っていうのは、これまで経験がないですね。

――今回の大統領選では「隠れトランプ派」と呼ばれる層が結果を左右したと話題となりましたが、そういった方々の現在の反応はどうなんでしょうか。

冷泉:私が住んでいるのはニュージャージーなので、トランプ派は少ないんですけど、川渡った向こうのペンシルベニアは、トランプさんが勝った州なんですよ。そこに住んでるITの技術者の友人がいるんですけど、選挙前はそんなにトランプさんが強いっていう雰囲気はなかったんだけど、選挙の翌日に会社で話をしたら、「大きな声で言えないけど実は彼に入れたっていう同僚がかなりいてびっくりしたって言うんですよね。

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それとペンシルベニアのかなり西のほう、オハイオとの州境に住んでる私の教え子の学生も、選挙後に周りと話をしてみたら、自分と友達の一人以外は全員トランプ派だったんで驚いたって話をしてましたね。その人たちは感じの悪い人たちじゃないし、それで仲が悪くなっちゃうってわけじゃないんだけど、でもやっぱりそこまでなのかっていうんで、衝撃を受けたってことでした。

ただ、今回トランプさんが大統領に正式就任したということで、そういう「隠れトランプ派」も、隠れてない「堂々トランプ派」も含めて、みんなお祭り騒ぎで喜んでいるかっていうと、意外とそうでもなくて、割と静かなんですよ。もちろん「私はワシントンD.C.に行って、旗を振るんだ」って人もたくさんいますよ。でも大部分は、意外と冷めてる感じがありますよね。彼が選挙戦の時に約束したように、雇用を取り戻してくれるまでは評価を控えるみたいな。「お手並み拝見」といった感じですかね。

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