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東日本大震災から丸6年。宮城県知事を支えた「ある人の教え」

多くの人の運命を一瞬にして変えた「東日本大震災」から6年。無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、極限の状況に置かれながらも、県民の安全を一番に考え冷静に陣頭指揮を取り続けた村井嘉浩宮城県知事の「気構え」と、その冷静さを保つ大きな助けとなったある人物の想像を絶する体験談が紹介されています。

大震災に立ち向かったトップの気構え

東日本大震災から6年。今回はこの大試練に県政の長として立ち向かった村井宮城県知事の体験談を紹介します。いざという時の人間の気構えを教えられるお話です。

土田國保先生の教え

私自身は今回の震災に際して心に決めていたことがあります。こうした非常時には、大変ストレスがたまるものですけれども、私は県のトップとして、自分のマイナスの感情を絶対に外に出さないようにしようと決めておりました。

辛くて涙が出そうになる場面が何度もありましたけれども、私が高ぶった感情をそのまま外に出してしまうと、組織が混乱してしまいます。

私が防衛大学校にいた時の校長先生が土田國保先生という元警視総監の方でした。土田先生は警視庁の警務部長をされていた時、贈り物を装って自宅に送られてきた爆発物によって奥様が亡くなり息子さんも大怪我をされたことがあるんです。

土田先生が朝礼で部下からその報告を受けた時のお話をなさったことがあるのですが、私はそのお話がとても印象に残っているのです。

土田先生は、

君たちはいずれ、下や家族の突然の死というものに直面する機会があるかもしれない。また有事の際は自分の組織が全滅することもあるかもしれない。その時に指揮官は絶対にうろたえてはいけない。

と前置きをされて、ご自身のご家族が事件に巻き込まれた時のことをこのように話されました。

自分がその報告を受けた時、正直、足がガクガクと震えた。しかしここで自分が震えているところを見せたり、うろたえたり、涙を流したりしていると、部下がどう対応をしていいのか分からなくなってしまう。

 

だから自分はその時、お尻の穴をくっと締め、下腹にぎゅっと力を入れて、大きく深呼吸をした。そしてすっと立ち上がって、これからどう捜査を進めるか指示を出した。いざという時の参考にしてほしい。

と。お話を伺いながら私もお尻の穴をくっと締めて下腹に力を入れ大きく深呼吸をしたことをいまでもよく覚えています。

今回の震災では何度かそういう厳しい場面に直面しました。その度に先生のお話を思い起こして実践したのですが、不思議と心が落ち着いて冷静に対処できたんです。

 

 

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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