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森友学園問題、参議院の議事録に記録されていた「安倍総理の動揺」

突然の小学校設置認可申請の取り下げで、強引に幕引きが図られた感もある森友学園問題。はたして本当に安倍首相夫妻は、同学園を巡り巷間語られているような口利き等の「不正」には関与していないのでしょうか。そんな国民の疑問を首相にぶつけたのが民進党の福山哲郎議員。メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では、3月7日の参議院予算委員会で繰り広げられたやり取りの議事録全文を掲載しています。冒頭、福山議員が「総理夫妻は被害者かもしれない」としているのにもかかわらず、必要以上に自らの関わりを否定するなど、動揺を隠しきれない安倍首相。テレビ等で映像をご覧になった方も多いと思われますが、そのまま掲載された議事録からも様々なことが読み取れます(注:太字は編集部によるものです)。

森友学園疑惑でほとんど錯乱状態の安倍首相──福山哲郎議員とのやりとりの全文

3月7日参議院予算委員会で民進党の福山哲郎議員の森友学園疑惑についての質問が昭恵夫人のこの件への関わりに及ぶと、安倍晋三首相はほとんど錯乱に近い興奮状態に陥って、最後は段々何を言っているか分からない有様となり、山本一太委員長から3度も「総理、簡潔にまとめてください」と注意され、福山からも「何をそんなむきになっているんですか」と皮肉られたほどだった。以下、参議院が公表している議事録(未定稿)のその部分を解説抜きでそのまま紹介する。

○福山哲郎君

そして、総理、私本当は御家族のこととか言いたいタイプではないんですけど、総理が関わっていないという、昭恵夫人も関わっていない、ひょっとしたら被害者なのかもしれない。私もそのようにも考えたいと思います。許認可が始まる直前に名誉校長に就任を受諾をして、寄附金集めには、安倍昭恵夫人が名誉校長だとか、さらには講演に来られているかとか、そういう話も出るはずです。

そして、これ大阪の財務局の立場でいえば、安倍昭恵夫人が名誉校長に就任している小学校を、手続ができないからといって先送りなんかして開校を延長したら、それは昭恵夫人に恥かかせたのか安倍総理に恥をかかせたのか、近畿財務局だって財務省だってそんたくするでしょう、それは。私的か公人かなんて関係ないんですよ、私人か公人かなんて。そして、その日に、名誉校長に就任された日に安倍総理は本当は講演の予定だった。

だから、安倍昭恵夫人が講演されたのは安倍総理の代わりです。誰が見たって、ああ、昭恵夫人が名誉校長をやって、安倍総理も講演に来るところだったんだなと役所はみんな考えますよ。そこを延期するとか、そんなことしたら総理に恥かかせることになる、そういうことを状況としてつくったこと自身が問題なんじゃないですか。だから、こういう不透明な手続が積み重なるんですよ。総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

公人か私人かは大した問題ではないと、こうおっしゃったので、そのお言葉は受け止めておきたいと思います。

そして、今、福山委員は、もうまるで、まるで私と妻がこの結果に働きかけをしていたかのごとくの……(発言する者あり)いや、影響は、影響を与えた……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君)

静粛に願います。答弁中です。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

済みません。ちょっと後ろのベンチの方、テレビを見ている方分からないかもしれませんが、後ろでやじられると大変うるさいんですよ。ですから、本当にこの審議を妨害するのはやめていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

そこで、そこで、言わば私と妻が、この理財局等に、あるいは学校の認可等々に私たちが結果として影響を与えていたかのごとく議論をしておられますが、まず第一点、第一点、西田委員が今日質問をする中で明らかになりましたよね、この売買においては値引きをする法的根拠について明確にしたじゃないですか。それを、それについて、言わばこれもあのやり取りはおかしいということであれば、やり取りがおかしいということであれば、これは不当な値引きだったということになりますよ。

あと、この一年前にという開校を控えての中で、どうして理財局が判断したかということについても、これ明確になりましたよね、訴訟リスク等があるということについて。それが違うということであれば、そもそも大きなこれは問題であるということになりますが、それはそもそもそうではないわけであります。そうではない中において、ということはつまり、法的に、法的にちゃんとプロセスにのっとって正しい根拠を持ってやったということであれば、私も妻も関係ないじゃありませんか

さらに、私も妻も誰も理財局長等々に、誰にも言っていないのに、この名誉校長に安倍昭恵という名前があれば、これ印籠みたいに恐れ入りましたとなるはずがないんですよ。日本のですね、かつてそんなことあったんですか。そんなことあったんだったら、一つでもいいですから例を出していただきたいと思います。私の妻が名誉何々になっていて、それをそんたくした事実が、事実がないのにまるで事実があるかとのことを言うというのは、これも典型的な印象操作なんですよ

先ほども、稲田朋美議員への質問においても、稲田さんが顧問弁護士をやっていた、法律相談をしていたということを書いたのは、ある人物がメール、言わばブログに書いたんです、ブログに書いた。で、それで、籠池氏が、籠池氏、籠池氏が言ったのは、公に言ったんではなくて、その人物に言ったわけであります。その人物は、籠池さんからそんなこと言われていないということで謝罪をしているんですから。であるにもかかわらず、あるにもかかわらず、あるにもかかわらず、福山さんは、だから籠池さんを呼ぼうと。

これは私の名誉が懸かっているんですから、私にも、さんざん福山さんは今……

○委員長(山本一太君)

総理、簡潔にまとめてください

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

ええ。しかし、さんざん今、福山さんは私と妻の名誉を傷つけたわけでありますから、さんざん私と妻がまるでこれに……(発言する者あり)ちょっと、まずですね、まずこの後ろの……

○委員長(山本一太君)

総理、簡潔にお願いいたします

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

はい。でも、ちょっと後ろのやじが多いと何も……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君)

後ろもちょっと静粛に願います。簡潔におまとめください

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

何も聞こえないんですよ。しゃべるのも、やじが大きいと、私なかなかしゃべりづらいんですよ。

だから、そこで、長々と私と妻がここにまるで関わっているかのごとく、まるで大きな不正があって犯罪があったかのごとく言うのはこれは大きな間違いでありますから、だから、私はちゃんと時間を掛けて御説明をさせていただいているところでございます。

更に私に説明を求めるんであれば、またお答えをさせていただきたいと思います。

○福山哲郎君

私は、昭恵夫人は被害者かもしれないと申し上げたんです。犯罪扱いなんかしていません。それこそ印象操作だと私は思いますよ。何をそんなむきになっているんですか。

だけど、そこが私は問題だと思いますよ。不透明な手続がたくさんあって、そしてその許認可が下りる手前に総理が講演が決まっていて、キャンセルをされたとはいえ、実は安倍昭恵夫人が行って、名誉校長に就任すると……。

 

 

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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