「法律」と「法則」。漠然と「違うもの」だと認識してはいるものの、ではどう違うのか説明して、と言われたら口ごもってしまうという方も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、著者の須田將昭さんがその相違点をわかり易く解説。さらに『日本国憲法』に対して我々国民がどう取り組むべきかについても記しています。
法律と法則の違い
憲法はご承知のとおり、その国の基本原理、原則となる根本法規です。
学生の頃、「授業にでなくても単位がもらえる」と有名だった講義を登録していました。授業の初日、先生が一言目に
「単位はあげますから、授業には出ないでください」
と発するのを聞くためだけに何十人、あるいは百人を超える学生が教室に詰めかけます。その一言を聞いたら、みんな拍手して出て行く…という、今時そんな先生がいたらえらいことになりそうですが、その授業の1コマ目だけは受けました。
今でもよく覚えているのは、法律と法則は何が違うか、というところから始まったことです。
いわゆる自然の法則というのは例外がない。というのも、自然の現象を説明するためのものとして抽出されているので、そもそも法則には例外はない(例外があるのなら、それは法則ではない)。でも、法律は後から作られたもの。社会の中で必要があって生まれたものだから、結果的に状況によっては例外のようなものが生まれる、という話でした。
ははあ、なるほどなあと思いながら聞いていたのが四半世紀以上前の話です。
法律の解釈には結果としてさまざまな立場を生むことになります。本来、作った時に「これはこういう意味ですよ。例外はありませんよ」ということになっていれば変わらないのでしょうが、時とともに、事情の変化とともに、解釈や運用が変化していきます。
(注)それがいいか悪いかではなく、法律とはそういうものだ、ということです。
昨年のメルマガでも書きましたが、『日本国憲法』のあり方、解釈の仕方にはいろんな立場があります。その中で、国民一人一人が、自分はどう捉えるのか、ということに関心を持って、勉強し、主体的に関わる、ということが大事だというのは、今年も変わりません。
歴史の解釈でも同じなのですが、1冊、2冊本を読んだだけですべてがわかるものでもありません。ずっと議論が続いているものなので、ちょっとかじっただけで何かがわかるというものでもないでしょう。だから、本気で取り組むと大変なことになりがちです。
でもそうだからと完全に離れてしまうのもどうかとも思うところで、できる範囲で、いろんな立場、解釈のものを聞いてみて、読んでみて、その上で自分でも考える。少しずつでいいと思うのですが、その繰り返しが大切だと思うのです。
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