葬儀司会者として、故人を偲ぶ素晴らしい文章を日々書かれている瑠璃さんのメルマガ『瑠璃の葬送日記&葬儀ナレーション例文』。今回は、読者の方から寄せられた「文章を上手に書くためには何をすればいい?」という相談に、瑠璃さんが「文章をスラスラ書くために習慣にしていること」について、わかりやすく解説。さらに、意外と知らない「新聞の違い」という豆知識についても教えてくれました。
読者からの質問
私は文章を書くことが苦手で、何とか苦手を克服したいと思いメールします。
実は、葬儀司会が文章を多く書くということを知らなかったので、勉強しなければいけないと思います。
アナウンス、ナレーション、事務所への報告書、寺院メモ、担当様スタッフさんのお礼、申し送りの書類、とにかく書くことが多いので驚いています。私は文章を書くのが苦手でストレスです。
=中略=
瑠璃さんや他の司会の方のブログは綺麗な文章ばかりですごいです。
どのような勉強をすればよいか、教えてもらえましたら嬉しいです。
瑠璃さんからのお返事
いつもご愛読ありがとうございます。
拙者の場合は、とにかく書くことを癖付けています。
日常的にこのメルマガの記事を書いたり、お仕事ではナレーション原稿を書いたり、ブログは・・・けっこうサボってますけど、指導用のテキストやら受講生さんの質疑応答など、何かしら文章を書いています。
拙者はそれがストレスにはなっていません。
文章を書くのが好きなので、特に苦にならないんだと思います。
書いていて楽しいのでついつい時間を忘れてしまい、気づくと日付が変わってた、ということもよくあります。
趣味と仕事の境目があまりないので、おかげで楽しみながらお仕事ができています。
・・・仕事柄、不謹慎な表現ではありますが。
「文章を書けない」と悩んでいる方に、スラスラと書けるようになる方法をお伝えします。
私は毎日5千文字から1万文字くらいの文章を書いています。
しかし、これだけ書いていても1日書かないだけで書けなくなります。
不思議なもので、感覚を取り戻すまでに若干時間がかかるんですよね。
あなたがスラスラと文章を書けるようになりたいと思うなら、何でもいいので毎日文章を書くようにして下さい。
ブログ、Facebook、メール、日記など何でもいいのです。
とにかく毎日書くようにしてみてください。
毎日書いていると、自然と文章が出てくるようになります。
それでもどうしても文章が浮かばず書けないという方は、間違いなく情報不足でしょうね。
日頃から、文章を書くための情報を仕入れることを意識して下さい。
そうすることで、どんな些細な出来事も文章のネタとしてストック出来るようになるでしょう。
あなたは「網様体賦活系」という言葉を聞いたことがありますか?
脳幹網様体(のうかんもうようたい)という部分の働きを示す言葉です。
この部分は「必要な情報だけをピックアップして取り込む」という働きをします。
つまり必要ではない情報はシャットアウトしてしまうということです。
興味があるものしか目や耳に入ってこないようになっているんです。
だからこそ、あなたが文章のネタを常に仕入れようと考えてさえいれば、必要な情報と認識して自然とネタが入ってくる、という理論です。
具体的には、興味を持ってものごとを見る癖をつけるんです。
インターネットの情報って、イマイチ信憑性に欠けるところがあるので、私はあまり鵜呑みにしないんですが、一流のプロの記者が書いた文章に、日頃から接するようにしています。
以前、このメルマガで、別の話題でも結果的に同じようなことをお勧めしたことがあるのですが手っ取り早いのは、新聞を読む習慣を身につけるんです。
その新聞もね、ちゃんと選ぶんですよ。
・・・じゃあ、どう選ぶのか。
これあくまでも瑠璃個人の思うところということでご理解下さいね。
新聞って、大きく3つに分類されます。
ブロック紙、地方紙、全国紙です。
どう違うのか、少し解説してみますね。
地方紙(ローカル紙・県紙)
発行エリアが1府県の全域にわたる新聞のこと。
ニュースの配分が地方中心で、取材網は発行エリアに限られるので、国政や日本経済全体に関わるニュース、国際面などの記事は、通信社などから提供を受けていることが多いのだそうです。
ブロック紙
規模は大きいですが、全国紙のように日本中を網羅していない新聞。
広範囲の地方圏で、全国紙を上回る部数と影響力を持っています。
複数の都県にまたがる広い地域で販売されている日刊紙。
北海道新聞・河北新報・中日新聞・中国新聞・西日本新聞などがブロック紙と呼ばれます。
全国紙
毎日新聞・朝日新聞・読売新聞の3紙。
日本経済新聞と産経新聞も全国紙ですが、大手はこの3紙といっていいでしょう。
全国向けにニュースを報じる新聞です。
規模が大きいため、その論調は世論に与える影響も大きいメディアです。
国内外の事件・事故や国内外の政治や経済などの動向などのニュースを全国一律の内容で載せ、地域版はその地域の支局や地域毎の子会社が担当する形式をとっていることが多いです。
新聞の違い、ざっとお分かりいただけたでしょうか。
瑠璃の場合はですが、意識して全国紙を購読しています。
お家でとっている新聞が地方紙だったりブロック紙だったりしても自分のお金で全国紙を買うのです。そしたら、大事に読みますよね。
だから移動の鞄の中にはいつも新聞が入っていてちょっとした隙間の時間に開いて読む癖が身に付いています。
新聞ってね、ナレーションの参考になるようなことも結構あって葬儀司会者たる者、読んでおいて損はないと思っておりますよ。
ご参考にしていただけたでしょうか。
では、お仕事お役割を無事に全うされますように。
さじ加減に気をつけながら精一杯おつとめくださいね。応援しています!
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