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LINE全盛のいま、メールマガジンは本当にオワコンなのか?

LINEがこれだけ普及した現在も、地道に生き残り続けている「メールマガジン」という存在。無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ〜おんさんは、「メルマガはオワコン」と言う人の捉え方の誤りを指摘した上で、LINEとメルマガの特質の違いについて解説しています。

メルマガかLINEか

連載開始から9年、この間で何が大きく変わったかというとメールマガジンという媒体の持つ訴求力の低下です。私がこのメルマガを書き始めた頃というのは、メールマガジンという媒体がフレッシュで、物珍しさも手伝ってたくさんの人がこの媒体に群がって来ましたし、その結果この媒体が非常に伸びたんですね。

人が集まってくれば、そこには広告というビジネスが生まれますし、そうなるとそこに企業が群がって来るという良い循環が生まれたんです。メールマガジンを購読する人の数もドンドン増えて、それを見て多くの企業や個人がメールマガジンの発行を始めました。そのうちの一人が私なんですけどね。

ところがブームというのは呆気なく萎むモノで、それから2年もしないうちに、読者全体の伸びや、精読率が落ち始めたんです。これは偏に、つまらないメールマガジンがたくさん発行され、多くの人の印象が、

■ メールマガジンってつまらないよね

と悪くなったからなんですね。私は当時25誌から30誌を読んでいましたが、つまらなければ解除、そして新しいメールマガジンを登録するという作業を繰り返していました。で、その多くがつまらないか、途中で配信が止まってしまうものだったんですよね。

あの頃からずっと読んでいるメールマガジンって4誌だけです。ちなみに今は無料のメールマガジンを、自分と家人のものを入れて15誌、有料のメールマガジンを9誌読んでいます。今では入れ替わりもほとんどなくなって、配信頻度とクオリティが安定しているものをずっと読んでいます。そしてこの頃から、

■ 今からメールマガジンをやってもダメだよ

とか、

■ メールマガジンはもうオワコンでしょ

なんて言われるようになって来て、そこにLINE@が登場すると、

■ これからはLINEで情報を流す時代でしょ

なんて言われるようになったんです。最近の読者さんに書くのですが、このメールマガジンでは、私的には「よろしくない」、「それは違うんじゃないの」という時の強調に■を使い、「そうだよね」、「良い事ですね」という感情を強調する時に●を使っています。

つまり、LINEで情報を流す時代だよね、という風潮に「それって違うんじゃないの」と考えているということです。もちろん、LINEを使うなとか、LINEがダメだと言いたいわけじゃありませんよ。そういう媒体の問題じゃないよと言いたいのです。

LINEは確かに手軽ですし、既読の管理も簡単ですし、一日あたりの使用時間も長いので読んでもらい易い媒体だといえるでしょう。でもね、LINEで長い文章を読むのはムリですよね。このメールマガジンって、本文が毎回だいたい1,500文字くらいあるんですよ。前フリや、ヘッダー、フッターは除いてね。これをLINEで読めって言われたら苦痛ですよ。

そもそもメールマガジンって、文章を読んでもらうものですから。明滅する印象を操作する媒体ではなくて、じっくりと読んでもらって納得してもらう媒体なんですね。ですから必然的に長文になることが多いんです。特に有料メールマガジンは、ボリュームでお得感を出そうとしているところがほとんどなので、一回の配信では送信できる文字数をオーバーしてしまい、パート1、パート2、パート3みたいに分割して送って来るところが多いんです。これを全部読もうとしたら結構な時間が掛かりますよ。

作家の佐藤優氏のメールマガジンなんて、長い時にはテキストで200キロバイト(文字数で4万文字を超えます)を超える時があって、さすがの私でも読み終わるのに5分以上掛かりますから。こんなのLINEで読めるわけがないんです。

つまり何が言いたいのかというと、メールマガジンとLINEとでは住んでいる世界が最初から違っているのです。そこを考慮せずに、メールマガジンはダメだけどLINEならイケるよ、と考えるのは間違っているのです。

メールマガジンとLINEの特質の違いについて書いてみました。この違いを理解出来ると、

■ メールマガジンはオワコンだから、これからはLINEだよ

という思考は間違っていることに気付くはずです。メールマガジンは多少長くてもじっくり読んでもらいたいというコンテンツを乗せるビークルで、LINEは手短に軽い情報を伝えるのに適したビークルなんですね。

あ、全くの余談ですがそもそもオワコンって表現も完全に間違っているんですよ。オワコンって「終わったコンテンツ」のことで、メールマガジンやLINEはコンテンツではなくてコンテンツを乗せる乗り物(ビークル)ですから。つまり「このビークルに何を乗せるのかを考える必要があるのです。乗せるコンテンツによってメールマガジンがふさわしいのか、LINEの方がふさわしいのかという議論になるはずなんですよ。

つまり、最も大事なのは乗せるコンテンツのクオリティーだということです。

メールマガジンがブームになった時だって、つまらない内容(コンテンツ)のものはすぐに解除されていたんですから。反対に読んで面白いと思われるものは長く続きますし、中にはおカネをもらって有料で配信するものだってあるんですから。おカネをもらっているのにつまらなかったら、そりゃ止めちゃいますよね。

有料、無料に関係なく、読んで面白いもの、勉強になるもの、役に立つものは長く続くんです。私も長いヤツは10年以上購読していますからね。

確かにメールマガジンという媒体は以前のような活況を呈している状態とはいえないでしょう。でもそこに価値を見出して、コンテンツを厳選して読んでいる読者さんっていくらでもいるんです。消えて行ったのは流行に乗せられてやって来た浮ついた発行者と、流行に乗っただけの読者さんなんです。ホワイトカラーで、仕事でPCを使う機会が多い会社のメールアカウントで登録が出来るというタイプの人達の情報収集ツールとして、メールマガジンという媒体は今でも有効ですし、役に立っているんです。

その意味では確かにレッドオーシャンです。今からつまらないコンテンツで殴り込みを掛けてきても、反対にあっという間に叩きつぶされてしまいますから。そしてすでに一定の地歩を持っている先行者に追いつくのも簡単ではありません。このメールマガジンは「まぐまぐ経由で5万4,000人自社配信で3,500人の方に読まれているんですが、新規発行のメールマガジンをこのスケールにこれから育てるのは簡単じゃありません。

でもそれって9年前も同じだったんですよ。創刊準備号は別にして、2008年2月13日に配信した記念すべき第1号の配信部数は7部ですから。この7人のうち1人は私ですから実質6人ですね。そしてその6人のうち知っている限りでは2人の方が今でも購読されています。

ここから9年掛けてこうなったわけです。そしてこれから始める人だって、9年間弛まず一定の品質のコンテンツを送り続ければ、私くらいのサイズになることは全然難しくないんです。やれるかどうか、続けられるかどうかは別にしてね。

これはブログだろうが、ツイッターだろうが構図は全く同じで、コンテンツの受け取り手が喜ぶかどうかだけなんです。そしてこれは、ありとあらゆるビジネスに共通したゴールデンルールなのですよ。つまり、メールマガジン、LINE@、ブログ、ツイッターにフェイスブックにインスタグラム、どんな情報発信でも構わないのですが、要求されることは同じで、そしてそれはあらゆるビジネスで要求されることなんです。

だから、こういう情報発信で発言力を持てるようになった人というのは、リアルの社会でも一定以上の成功を収めている人が多いんです。だってビジネスの要諦を押さえたのと同じなんですから、これを横展開したら成功出来ちゃうに決まっているじゃありませんか。

ですから、我こそはと思う人は参入して来て欲しいんですよね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤しょ~おん 【発行周期】 平日刊

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