日々の生活で使わない日はないと言っても過言ではない敬語にあって、間違いやすかったり混乱してしまいがちなワードを紹介してくれる、無料メルマガ『仕事美人のメール作法』。今回は、これまたミスを犯しやすい「二重敬語」について解説しています。あなたの敬語、大丈夫ですか?
気になる敬語 「おっしゃられていました」
山田部長が会議は15日でよいとおっしゃられていました。
上記の文例は「おっしゃっていました」とすればよいのに尊敬の「~られる」を付け加えてしまっています。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。その過去形は「おっしゃった」です。
このように、既に敬語に変換されている言葉に、さらに尊敬の「~られる」を付けると二重敬語になります。上記の文例は
山田部長が会議は15日でよいとおっしゃっていました。
とするのが適切です。
「おっしゃられる」のほかに「いらっしゃられる」も同様の間違いです。「いる」や「来る」の尊敬語として「いらっしゃる」を使いますが、それに尊敬の「~られる」を付け加える必要はありません。
過去形にする場合も「部長は会議室にいらっしゃいました」「昨日、社長が本社へいらっしゃいました」のように「いらっしゃった」「いらっしゃいました」とするのが適切です。
気になる敬語 「ご覧になられていました」
山田部長は事前に先方の資料をご覧になられていました。
上記の文例も前回と同様に、二重敬語になっています。
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」。その過去形は「ご覧になっていた」ですが、上記の文例では、それに尊敬の「~られる」を付け加え、「ご覧になられていた」となっています。上記の文例は
山田部長は事前に先方の資料をご覧になっていました。
とするのが適切です。
過去形の文を敬語に変換する際、余分な尊敬語を付け加えて二重敬語にしてしまう傾向があるので注意が必要です。
「資料を見ますか?」の尊敬語は
○:資料をご覧になりますか?
×:資料をご覧になられますか?
過去形の「資料を見ましたか?」の尊敬語は
○:資料をご覧になりましたか?
×:資料をご覧になられましたか?
尊敬の「~られる」を付けると、なんとなく敬語として収まりがよく感じられますが、敬語を重ねて使う方が丁寧というわけではありません。
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