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ティファニーが凋落へ。失墜したブランド価値は再び輝くのか?

ブルーの箱に白いリボンが特徴のジュエリーブランド「ティファニー」。日本で一時期、圧倒的なブランド力を持っていましたが、昨今は業績不振に陥り、2月には米CEOも退任に追い込まれました。今回の無料メルマガ『顧客を喜ばせる世界の成功企業最新戦略紹介』では、著者で米国ビジネスモデルコンサルタントの清水ひろゆきさんが、なぜあのティファニーが追いつめられたのか、その原因に迫っています。

あのティファニーが業績不振。顧客が納得するブランド価値とは?

1837年の創業以来、アイコンカラー「ティファニーブルー」でラグジュアリー贅沢な、豪華な・ジュエリーブランドの地位を確立していた、米ティファニーの業績が芳しくありません。

5月26日の日本経済新聞によると、ティファニーが5月24日に発表した2~4月期決算では、既存店売上高が米のみならずアジア太平洋、日本でも減り、世界あわせて前年同期比3%減にとどまったということです。もっとも深刻なのは売上高の4割を稼ぐ最大の米国市場で、同期の既存店売上高は4%減と、世界全体を下回りました。売上高も3%減の3億9200万ドルにとどまり、不振が続いています。

輝きにぶるティファニー(日本経済新聞「NY特急便」) 

最近ではCMにレディガガを起用し、若者層を取り込むべく動いているティファニー。「白いリボンとブルーの箱」に象徴されるティファニー独自の「ストーリー」は、顧客からの支持を得られなくなってきたのでしょうか?

常に時代の流れに沿い、デザインというコンセプトで顧客の変化に対応してきたティファニーが、なぜ売れなくなってきたのか

その原因は、ジュエリーというカテゴリーで勝利するためのブランドのポジショニングが時代のブランド価値と乖離してきたからなのです。

ティファニーは、ラグジュアリーブランドか? それともファッションブランドか?

世界5大ジュエラーは、誰もが聞いたことのある憧れのジュエリーブランドばかりです。

このうちアメリカ・ブランドはティファニーとハリーウィンストンのみ。

ジュエラーが「ラグジュアリー」というブランド価値で秀でるためには、誰が認めたのか? という格付けが不可欠なのです。

貴族という特権階級が格付けとして存在しないアメリカで、ハリーウィンストンはダイヤモンドの質にこだわり、芸術品を生み出すことでラグジュアリーブランドの仲間入りを果たしたのです。かたや、ティファニーは、フランス出身のジュエリーデザイナー「ジーン・シュランバーゼー」が、鳥や魚など自然からインスピレーションを得たデザインを発表することでハリウッドセレブの支持を勝ち取り、同じくラグジュアリーブランドの仲間入りを果たしました。

その後、ティファニーは「妥協しない美と気品への追及」を軸に、比較的手が届く価格のシルバージュエリーから高価なハイジュエリー、文具、食器と取り扱う商品を拡大し、ライフスタイルこと)を訴求します。一方、ハリーウィンストンは究極のクオリティとデザインの追及を軸に、ジュエリーと時計(モノ)に絞って商品展開していきました。

ティファニーは、白いリボンとブルーの箱にイメージされる「こと」によって、(ジュエリーを軸に)ティファニーが扱う商品がファッションになるよう仕掛け、ハリーウィンストンは、こだわる「モノ」の良さによってラグジュアリー感を各個人が商品から味わえるようにしました。

デザインで他と一線を画したティファニーは、パロマ・ピカソやフランチェスカ・アムフィテアトロフという才能あるデザイナーを次々と起用し、ファッション(流行)の旋風を起こしました。それによって拡大した商品群は、ファッションフリークによって熱狂的に支持されたのですが、ファッションブランドとなった同社の商品は、ブームが去ると同時に消費者から支持されなくなったのです。

時代のブランド価値は、ラグジュアリーではなくなった

今の時代は、日本でも海外でもミレニアル世代(1980年代生まれの世代層)に納得される価格と価値を提供するブランド確立が求められています。なぜなら、これからはスマホでの買い物が主流となり、そのヘビーユーザーがミレニアル世代だからです。

ミレニアル世代がティファニーのオ─プンハ─トを好み、普遍のデザインに魅了され商品のスト─リ─に共感しているのも事実です。

また、この世代の消費者は、例えばスワロフスキーというファッションブランドのジュエリーを、ネットでセール価格も含めて吟味しながらコーディネートを楽しんでいます。

重要なのは、ティファニーがラグジュアリージュエリーのポジショニングを取り続けるのか? ファッションジュエリーのポジショニングをとるのか? ではなく、ティファニーしかない、白いリボンとブルーの箱というストーリーを入口として、アメリカのジュエラーしか成しえない、誰もが理解できる「妥協しない美と気品への追及の素晴らしさをミレニアル世代に提供することなのではないでしょうか。

image by: Claudio Stocco / Shutterstock.com

 

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【著者】 清水ひろゆき 【発行周期】 不定期

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