かつての「一戸建て信仰」はどこへやら、現在では終の棲家としてマンションを選択する人も多くなっています。今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者・土井英司さんが紹介しているのは、住宅ジャーナリストが日本のマンションの課題を正面から論じた一冊。「買っていいマンション、いけないマンション」についても記している極めて実用的な良書です。
『マンションは日本人を幸せにするか』
榊淳司・著 集英社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、住宅ジャーナリストとして30年のキャリアを誇る著者が、日本のマンションの課題を論じた1冊。
人口減少、空き家問題と、この国の不動産の未来を懸念する論調はいたるところで目にしますが、本書もまたそのうちのひとつ。
これから買っていいマンション、買ってはいけないマンションという実用的な視点と、そもそもマンションがわれわれ日本人に与えた影響は何かという社会的な視点、両方が入った、読み応えのある論考です。
著者は、本書の25ページで、マンションが日本人の暮らしに与えた影響をこうまとめています。
- マンションは、日本人を都会に住まわせた。
- マンションは、日本人にマイホームを持たせた。
- マンションは、日本人の核家族化を進めた。
- マンションは、日本人を少子化に導いた。
- マンションは、日本人の資産となり、負債となった。
- マンションは、日本人に区分所有という概念を植え付けた
- マンションは、日本人に管理組合という強制加入組織を作らせた。
- マンションは、日本人に高気密・高断熱な住まいを提供した。
- マンションは、日本人にエアコン使用を定着させた。
- マンションは、日本人に高層生活を定着させた。
その影響には、良いものも悪いものもあるでしょうが、従来のシステムが行き詰まっている以上、これらを再考する余地は十分にありそうです。
これから住まいはどうあるべきか、何がマンションの問題なのか、何に気を付ければいいのか、ヒントが満載の一冊です。
ページ: 1 2