元々ローカーボダイエットが栄養学的にも医学的にも支持された理由のひとつが、この抗糖化にあります。
糖は最優先で必要な栄養素ですから、利用される範囲内においては体へのデメリットは皆無なはずです。つまり、過剰な分がNGとなるわけですから、それを抑えようというのがローカーボダイエットです。
どこまで抑えるかは差がありますが、いずれにしても糖質を控えめにした食生活を送ることで糖化を防ぐことができます。焦がそうにも焦がす材料がないのですから、当たり前と言えば当たり前です。
もう一つ大切なのは、一度に摂取する糖質の量もさることながら、常に糖質を入れていることで糖化は進みやすくなります。これはスナック菓子やデザートといったオヤツにも注意が必要です。
通常、食事はお腹が膨れればそれ以上食べることはしなくなりますが、お腹が空いていなくても食べてしまうオヤツやデザートは、まさに過剰な糖質であり糖化の温床となります。
そういった日常の食生活にプラスして役立ちそうな抗糖化の成分が分かってきました。
それはマンゴスチンに含まれるポリフェノールです。
マンゴスチンは熱帯地方で栽培されている、果物の女王と賞される甘味と酸味の調和が絶妙なフルーツです。白い中身はまさにフルーツとして人気がありますが、実は紫色の果皮に含まれるポリフェノールには強い抗酸化力があります。
通常、ポリフェノールには抗酸化力がありますから、それ自体は珍しいことではないのですが、その果皮の水溶性ポリフェノールを更に分析していくとマクルリン配糖体という特有成分があり、そのマクルリン配糖体に非常に強い抗糖化作用が見つかったのです。
体内での糖化の際のタンパク質側の主役の一つがコラーゲンです。コラーゲンはアミノ酸組成が極端に偏っているタンパク質ですが、お肌、関節、骨といったところの主たる材料であり、体内のタンパク質のおよそ3割がコラーゲンですから、筋肉以外では主役のタンパク質といっても過言ではありません。
このコラーゲンの糖化を防ぐ効果がマクルリン配糖体に見つかったのです。
まず美容という観点からはお肌の抗糖化となります。
ヒアルロン酸などを単独で摂取するよりも、マクルリン配糖体が入ることで、お肌の繊維芽細胞の賦活作用が増加されることが確認されていて、お肌の粘弾性と水分量の改善の確認もされています。
またトレーニーや年配の方にとっては骨の抗糖化という点でも期待がもてます。
ペントシジンというAGEsがありますが、骨にこのペントシジンが蓄積すると骨の強度が落ちることが報告されています。
また骨のペントシジンと血中のペントシジンの濃度には相関があることがわかっています。
マクルリン配糖体の摂取は血中のペントシジンの濃度が低減されることが確認されているので、結果として骨中のペントシジンの蓄積が抑えられて、骨の強度が維持されていると思われます。
マクルリン配糖体はマンゴスチンアクアという素材名で日本新薬から原料供給されているので、今後サプリメントとして市場に登場すると思われます。
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