企業が伸びていくためには、新人・中堅あらゆる人材の成長が欠かせません。とは言え上役として、彼ら全員に対して細かい指導を行いつつ自らの仕事もこなすのはなかなか難しいものでもあります。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者・坂本りゅういちさんが記しているのは、上司が何もせずとも新人と中堅スタッフが「勝手に育つ」という魔法のようなシステム。実例を上げつつその効果を紹介しています。
中堅が動く店
お店に新人スタッフが入ってくると、必ず中堅スタッフが生まれます。店長がいて、新人スタッフがいて、その間の人たちのことですね。
うまくお店を回そうと思うなら、そういった中堅スタッフたちがいかに自分たちで行動してくれるように仕向けられるかが鍵となります。中堅スタッフが動くお店は、本当にうまく機能します。
店長は自分の仕事に集中しやすくなり、販促活動ができるようになります。新人スタッフは新人スタッフで、直の先輩や上司が面倒を見てくれるので、問題解決がしやすくなります。良いことづくめなわけです。
そうして、中堅スタッフに動いてもらうためには、必要なことがあります。自覚を持ってもらうことです。
「自分のポジションが大切なんだ」
「自分が新人スタッフの面倒を見るんだ」
と自覚を持ってくれるようになれば、動きも変わってくるのです。そのための方法はいくつもあります。
あるお店では、中堅スタッフと新人スタッフの間で目標設定をするようにしています。その目標には店長は関わりません。中堅スタッフと新人スタッフの二人だけで、目標を決めているのです。
「今日は◯時までに何人接客しよう」
「今日はこの強化商品を必ず一つは売ろう」
毎日、新人スタッフが出勤するたびに、目標を決めて、取り組んでもらっています。そのおかげで、新人スタッフは、できたときはすぐに中堅スタッフへ報告しに行きます。
「〇〇さん、今売れました!」
「〇〇さん、今日の目標達成しました!」
それを聞いた中堅スタッフも、人が育つ喜びを感じます。次はさらに上の目標を設定するように考え出し、擬似的にマネジメントを体感するのです。
案の定、そのお店では、店長がアレコレ言わなくても、スタッフ同士が勝手に動き回って売上を上げてくれますし、スタッフも勝手に成長していってくれます。その間店長は、店長業務に集中できるので、とても良いサイクルができています。
お店にいるスタッフは、全員が大事なスタッフです。中堅スタッフだけが頑張っていてもいけませんし、新人スタッフだけに目をかけるわけにもいきません。全員がそれぞれの役割を担うことで、お店のサイクルは循環します。
そうするためにも、まずは自店のスタッフ全員を「店長」「副長」「中堅」「新人」と書き出してみてください。その中で、誰が自覚を持てていないか、動けていないかを確認する。その人たちが自覚を持って動くためには、どんなやり方ができるか? ぜひ考えてみてください。
今日のおさらいです。
- 中堅スタッフが自覚を持って、自ら動いてくれる環境にする。
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