したり顔で核戦略を進める北朝鮮のミサイルが日本を狙う可能性

 

このように、北朝鮮が核ミサイルを多様化することには一定の合理性がある。北朝鮮は米国が巨大な脅威であり、過去に北朝鮮との約束を破ってきたと認識しているので、核開発を続ける必要がないと北朝鮮に示すためには、在韓米軍を撤退させるほどの大きな譲歩が必要となるだろう。そのような譲歩を北朝鮮が獲得した場合、韓国を武力で挑発しても米軍は関与しないと認識することは確実で、日本についてもそのように認識するおそれが生じる。そのような事態を日本が回避するためには、米国にとっての日本列島の戦略的重要性をそれも日米が足並みを揃えて北朝鮮に突きつけ続けるしかない。

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

参考文献
※1:防衛技術研究所と陸上自衛隊高射学校で武器の研究開発に従事した、久保田隆成氏がウェブサイト『ミサイル入門教室』で公開しているプログラムで計算した。
弾道ミサイル迎撃

 

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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