体罰を黙認するのは後進国。恐ろしかった「昭和の鬼教師」列伝

 

で、体罰反対派の僕ですが、人生でたった1回だけ体罰を受けたことを感謝している体験があります。

小学校2年生か、3年生の頃だったかと思います。

当時、実家で商売をしていました。 親父は洋品店で、時代の流れから店の半分をファンシーグッズ屋に改築しました。今で言うところの東急ハンズに置いてあるような商品をサンリオから仕入れ、おふくろが売っていました。

そこには毎日、仕事終わりに通ってくれる常連のお姉さんがいました。 おそらく20代前半か、後半か。

毎日、夕方、同じ時間帯にそのOLさんはお店に来てくれて、田舎の商店なので、よく店内で椅子に座りおふくろと世間話をしていました。

とても綺麗なお姉さんでした。

そのお姉さんは、今考えると、右足に障害を抱えていて、いつも左足をワンテンポ遅れて引き摺るように歩いていました

6歳か7歳の僕には、その歩き方が特徴的に映ってしまい、なんの悪気もなく、そのお姉さんの前で、こともあろうか、その歩き方をふざけて真似して歩いて見せてしまいました。 笑顔で。 笑ってもらいたくて

次の瞬間ー。

頭部に衝撃を受け、天地がひっくり返り、気づくと、さっきまで下にあった地面に這いつくばってました。

なにが起きたかわからず、痛みではなく驚きで号泣する僕を置いて、親父が彼女に謝罪していました。

「全然、ええんですよ~、それより、僕、大丈夫?」とそのお姉さんは笑顔で、僕を立たせて、膝についた砂埃を払ってくれました。

体罰はもちろん、よくないけれど(反対派ですよ!←しつこい?)、今、心の底から体を半回転するくらいの勢いでぶっ飛ばしてくれた当時の親父に感謝しています。

もし、このとき言葉だけで「障害を持っている方に対してそんなことしてはダメなんだよ~ わかるよね?」って言い聞かされたとしても、ここまで強烈な思い出には残らなかった。 殴られたことによって人間が絶対にしてはいけないことを刷り込ませてくれた

この体罰だけは、僕の中で、よかった体験です。

(だからといって体罰賛成派ではないですよ! ←くどすぎる?)

image by: shutterstock

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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