トランプ大統領、米国で人気の高いNFLを敵に回して崖っぷちか

 

この「腕組み」による「抗議への連帯」ということでは、主要チームのオーナーたちも加わっていましたから、大統領はここへ来て完全にNFLファミリーを敵に回したと言っていいでしょう。

そもそもトランプ氏という人は、アメリカン・フットボールのカルチャーをそんなに知らないようですから、どうせ保守主義とか愛国心で揺さぶれば何とかなると甘く見ていたのではと思います。これに加えて、スカルムッチ氏の辞任を受けて、暫定広報部長に就任していたホープ・ヒックスがここへ来て「正式な報道部長」になったことで、トランプ本人の暴走を止めるどころか、後押ししているという可能性も考えられます。

抗議の盛り上がった日曜から一夜明けた25日の月曜には、ホワイトハウスの定例記者会見が行われました。主役はスパイサー報道官の辞任を受けて、副報道官から正報道官に昇格したセラ・サンダースですが、当然のように「NFLによる抗議問題」に関する大統領の「お前はクビだ発言で大荒れとなりました。

サンダースは「国旗国歌は軍の象徴、従って国歌への侮辱とは生命を投げ打って奉仕する軍人への侮辱」という、まるで往年のアジアの独裁者とか、中南米の独裁国家のようなロジックを使って対抗していましたが、表情はひきつって大変な形相になっていました。

記者の中からは「この週末、ハリケーンで大変なプエルトリコへの配慮は全くのゼロで、NFLとのケンカのツイートばかりというのは不適切では?」とか「北朝鮮危機の一方で、お前はクビだとか、SOBだとか、一体何をやっているのか?」などと激しい追及が続く中で、サンダースは防戦一方でした。

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