無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』に多く寄せられるという、「子どもが本を読まない」というお悩み。たしかに読書の大切さを説いても、子どもはなかなか理解してくれないものですよね。今回は育児に詳しい著者が「子どもが本を読みたくなる」意外な方法を教えています。
読書 – 興味を持たせる
先日読んだ育児本(外国の学者さんが書いたもの)に、こんな実験が紹介されていました。
- 2つの4歳児グループに、同じオモチャ(紐がいくつか付いていて、引っぱるとそれぞれ違った反応をする)を与える
- 片方のグループには、「新しいオモチャが来たので、使い方を説明します」と言いながら、1本の紐を引っぱって変な音を出す
- もう片方のグループには、「さっき拾った」と言って見せながら、偶然を装って1本の紐を引っぱり、変な音を出す
- どちらのグループも、与えられたオモチャで紐を引っぱって変な音を出しては笑って楽しむ、というところは一緒
- その後、最初のグループはすぐに飽きて遊ばなくなり、後のグループは他の紐の反応を発見しながら、ずっと遊び続ける、との違いが出た
本では結論として、
- 明確に指示され、知るべきことを教えられると、自分で探ってみようとは思わなくなる
- 好奇心とは繊細なものなのだ
と書かれていました。そんなこと、当たり前!──と思いますよね(私は思いました・笑)。ですが、日々の子育ての中で、この「当たり前」を踏まえて子どもに接することができているかどうかは、また別なんですよね(苦笑)。
個別相談の中でも時々出てくる「子どもが本を読まない」とのお悩み。何とか読書の習慣をつけさせたいのだけれど…とご相談いただきます。お話をお聞きすると、
- 子どものために図書館で面白そうな本を選んで借りてきて与える
- 読書の良さ(楽しい、賢くなる、漢字を覚えられる、など)を説く
など、とても熱心に頑張っていらっしゃる方が多いです。ですが、私からのお返事では、別の方法をお勧めしています。
子どもの年齢・関心対象に合わせた本を借りてくるところまでは同じです。その本を「子どもに与えない」というのがミソ。親が自分自身のために借りてきた本として扱います。そして、子どもが家で遊んでいる時・退屈している時に、子どもの横で「親自身がその本を読む」のが、いちばん効果的。読みながら、時々「うわ~」「えーーーっ!」「うひゃひゃ」と独り言をつぶやけば、より完璧です(笑)。その後、その本をテーブルの上に無造作に置いておけば、かなりの確率で子どもは手に取りますよ。
もしそこまでやっても読まないのであれば、「今この子に必要な活動は別にある」と理解してあげましょう。読書適齢期は「親が読ませたいと思った時」ではありません。子ども自身が読みたくなった時ですから。
オモチャや本だけに限った話ではありませんよね。
「この本面白いから、読んでみなよ」
「これ美味しいよ、食べてごらん」
「お友達と一緒に遊ぶと楽しいよ」
これらは、実験で「このオモチャは面白いので遊んでみてください」と与えていたのと同じ接し方だと、もうお分かりですよね。子どもの好奇心を引き出し、興味を育む接し方を意識しながら、子どもの成長に寄り添っていただけたら、私もうれしいです。
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