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東京に魅了された外国人が撮った、ブレードランナーっぽいTOKYO

日本国外で暮らした経験があったり、海外旅行が好きな方なら誰もが同じように感じたことがあると思いますが、海外の町並みやそこに漂う空気というものは本当に独特で、もし今まったく別の環境にいても、たとえその土地に長年足を踏み入れなかったとしても、ふとした瞬間に細部にわたって簡単に思い出すことができます。その場所が持つ風や音や匂いまで、不思議なほど鮮明に身近に感じることができるもの。それは日本を訪れる外国人にとっても同じこと。日本が放つ独特なエキゾチックさは彼らにとっては魅力的で知らず知らずのうちに惹きつけているかもしれません。今回ご紹介するのは、東京に魅了された若き外国人フォトグラファー。どうやら彼女の目には、東京の町並みが私たちとはまったく違って映っているようです。
※本記事はジモトのココロに掲載された記事です(2017年10月4日)

 

他の国にはない『バランス』を持ったユニークな街、東京の魅力

いつも見慣れたはずの私たちの住む東京の街。控えめだけどカラフルな色彩や、見事に整ったフォルムのビルなど、確かに東京の風景なのですが、どこか違ったようにも見えます。

 

 

これらの写真を手がけたのは、東ヨーロッパに位置する国ベラルーシから東京に移住して2年目のフォトグラファー、Yulia Shurさん。てっきり風景写真を専門としているのかと思いきや、彼女が普段手がけている作品のテーマは、人物。実に彩り豊かで独創的な世界観が広がっています。

 

 

Yulia Shurさん(@ph_yuliashur)がシェアした投稿

 

 

Yulia Shurさん(@ph_yuliashur)がシェアした投稿

 

彼女の作風を見ると、日本の文化はとても控えめで彩りも乏しく、何だかやや物足りないのでは?という気がします。

ですがYuliaさんはこう語ります。

東京は本当にどこまでもユニーク!特に魅力なのは、その独特な『バランス』で、街の動きはとても速くて目まぐるしいのに、ここに居るとまるで山のように寛大な気持ちになれて、暮らしていてとても心地が良いの」

彼女を取り巻く日本の文化の何かが、彼女に居心地の良さを与えているのでしょうか。

「風景と人物を被写体とするのは、まったく別物のようだけど、私はいつも色使いを気にしたり、フォルムや細部までこだわりながら作品を手がけていて、作品のどこかに少しだけシュールレアリズムを表現したいと思っている。そういった点は、被写体に関係なく私の一貫した作風なの」

 

彼女が東京を選んだのではなく、東京が自身を選んだのだと強調するYuliaさん。

東京という街が持つ様々な建築物などが生み出すフォルムや光と陰、それもまた、日本の文化の一部だと語ります。そこに彼女がカメラを通じて手を加えることによって、建造物の形が鮮明に浮き上がり、ただの陰が意味を持つようになるのです。

 

今後も引き続き東京で活動していきたいというYuliaさん。やはり彼女の目には、外国人ならではの世界が広がっているように思います。さらに彼女のアーティスティックな感性が彩りを添え、私たちが何気ない日常を送る空間が一気に魅力を帯びるので、本当に不思議なものです。日本にもこういった外国人アーティストがどんどん増え、私たちに新しい観点やこれまで気づかなかった街の魅力を、違う視点から伝えて欲しいですよね。

 

YULIA SHUR氏
東京を拠点に活動する写真家。 主にファッションフォトグラファーとして活躍中。
Official Site  / Instagram

 

取材・文/貞賀 三奈美

 

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