プーチン誕生日に反プーチンデモ。ついに「一強時代」崩壊か?

 

あなどれないナバリヌイの影響力

ロシアには、「システム外野党」もいます。ほとんど大した力はありませんが、唯一あなどれないのがナバリヌイさん。私は、長年彼について「デモを呼びかけてはしょっちゅう逮捕されている変わった人」と見ていました。しかし、「結構影響あるのかな」と感じが出来事が二つあった。

一つは、2013年のモスクワ市長選のとき。近所の80過ぎのおばあさんが、「ナバリヌイに投票してね!」と、熱心に選挙運動していた。話を聞くと、とても情熱的に彼のことを語っていました。

もう一回は、友人の誕生日会に行ったときのこと。そこには、モスクワ大学哲学科に通う天才少女と、そのお母さんがいた。誕生日会の最中に「政治議論」が始まってしまいました。その天才少女は、ナバリヌイ支持者。お母さんは、プーチン支持者。二人で熱い論戦になってしまい、周りの人たちが、「まあまあ落ち着いて」となだめなければならなかった。

私は、「80過ぎのおばあさんからモスクワ大学の天才少女まで支持を得ているナバリヌイさんは、結構すごい」と関心したのです。

しかし、プーチン一強は揺るがず

ちなみにロシアでは、2018年3月に大統領選挙があります。5カ月後ですね。面白いのですが、誰も正式に立候補していない。当然、誰も選挙運動していない。アメリカみたく、「2年間選挙戦が続く」のとはずいぶん違います。おそらく「政治的空白」(笑)をつくりたくないのでしょう。それに、誰が出てもプーチンには勝てません。プーチン以外に予想される候補は、

  • 共産党のジュガーノフ?
  • 自民党のジリノフスキー?
  • 公正ロシアのミローノフ?

彼らは、90年代から大統領選に出て、毎回負けている人たちです。そして、勝つ気もない。ナバリヌイさんはおそらく出させてもらえないでしょう。いえ、出馬してフェアに戦っても、プーチンには勝てないと思います。結局、プーチンの時代は、最低あと6年間続きます。

メルケルさんは、4期目に突入。習近平は、もうすぐ2期目の5年が始まる(彼は、死ぬまで続けたいらしい)。安倍総理も、負けずに超長期政権をつくったらいいですね(しかし、消費税は上げないでください)。

image by: Semen Lixodeev / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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