物が売れない時代に、イケアはなぜ行列2500人も集められるのか?

 

中小企業はIKEAから何を学ぶべきか?

では、我々中小企業はIKEAから何を学ぶべきか?

まずはいうまでもなく、ターゲット設定を明確にすること。年代や家族構成に加えて、「おしゃれなことが好き」「家族を大事にする」といった、消費者インサイトを含めた設定が重要になる。

次に、戦うのに十分な市場があるかを見極める。IKEAの場合では、ターゲット層が多く住む、また、隣接する名古屋市東部や日進市からの集客も見込める、という点を考慮に入れるということになる。

3点目としては、想定顧客層が来店する理由を明確にすること。その際に、属性レベルによる顧客層の顕在的なニーズへの対応のみでなく、潜在的な需要があるかどうか、また、来店するときに感じる、「楽しさ」や「刺激」などの顧客体験を明確にすることで、不要な差別化戦略を避け、値引き合戦に巻き込まれない努力をすることが重要だ。

モノや情報があふれている中、もはや値引きで売れる時代は終わったと考えるべきだ。イオンが映画館を併設し、飲食を充実させることで、ショッピングにつなげているように、非日常を演出することで、顧客をショッピングというエンタテイメントに持ち込むことが、「コト消費と言える。そうすることで、多少高くてもニーズに合えば売れるのだ。小売業は、消費の最前線にいる。そのため、顧客を知る一番の業種でもある。同業種に限らず、様々な業界の企業が参考にできる事例である。

image by: Tanasan Sungkaew / Shutterstock.com

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