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NY在住の日本人が二度見した、米国人の「ヘンな日本語Tシャツ」

最近は訪日外国人用として日本でも数多く作られている日本語Tシャツ。「侍」「武士」など、日本を強くイメージさせるものや「大阪」「浅草」など地名が入ったものが人気ですが、メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者で米国の邦字紙「WEEKLY Biz」CEOの高橋さんによると、ニューヨーカーが着ている日本語Tシャツは思わず二度見するものが多く、ヘンな日本語の入れ墨も多いようです。

ニューヨーカーにとっての“日本語”

当たり前になりすぎて、気持ちスルーしがちになりますが、この街では日本語の書かれたTシャツを着ているアメリカ人を毎日のように目にします。

もちろん、そのほとんどがヘン”です。圧倒的におかしなことになっています。

言葉の意味そのものというより、あくまでフォルム重視なので、どんな内容かは着ている本人ももちろん製造しているメーカーですら二の次なんだと思います。

じゃないと「読書感想文」と縦に大きく書かれたTシャツがこの世に存在するはずもないし「システムキッチン」と書かれてるものも見たことがあります。

「おにぎり」とか「素敵」とか単語ならまだメーカーサイドもなにかしらの狙いがあったのかと推測できますが「消毒します」とか「いざ解散!」とかは、もう意味をなしてない。狙いもなにもない。

単語だとしても「送料無料」とか「肌荒れ」とかは、完全に見た目だけで企画会議が通ったのだと思います。 企画会議というものがあったとしてだけど。

バカまるだし」はメーカーの悪意を感じるし、ホントにバカまるだしに見えちゃうので可哀想だなとも思います。 以前、子連れのお父さんが胸に大きくデキちゃった婚」と入っていたのには、色々想像してしまうし、なによりベビーカーに乗ってる赤ちゃんを反射的に見てしまうので、見せられるこっちの身にもなってほしい。

スターバックスでなかなか出てこないコーヒーを待っている、大人しそうなおじいちゃんの背中にふと目が止まると「攻撃的」と書かれていたので「ひょっとしてキレだすんじゃないか」と必要以上にドキドキしてしまいました。

一番多く目にするのは「日本人の彼女募集中!」と書かれた黒地のTシャツ。 これ、本当によく目にします。この街でしょっちゅう開催されている日系のお祭り、フェスティバルイベントには、このTシャツを着たニューヨーカーを少なくとも2~3人見ます。これはあきらかに着ている人間が意味をよく理解してあえて着ている例。 ただ、これで本当に日本人の彼女をゲットできた話は聞いたことがありません。(これ見て話しかける女ってちょっとイヤだしな)

あとは県名パターン。 「東京」「横浜」「京都」は定番ですが、「名古屋」「北海道」「沖縄」も見たことがあります。「滋賀」を見たときには、さすがにどこで買ったのか聞きたくなりました。 このパターンで、一番多いのは、もちろん、ダントツで「大阪」です。着ている人間も漏れなくお調子者っぽいです。さすが「大阪」。

アッパーウエストのバーでベロベロに酔っぱらった大学生くらいの白人のお兄ちゃんの背中に「ケンカ買います」という文字を見たときは、ここが日本だと結構な事件になるかもなぁと余計な心配をしてしまいました。

ドレッドヘアのムッキムキの黒人が向こうから歩いてきます。胸に入った小さな文字は遠くて読めなかったけど、すれ違う瞬間、「茶道部」と目に入ってきました。 。 。 。 。 。うそつけ。

ちょっとオタクっぽい手をつないだ白人のカップル。 男性の胸には「焼き餃子」、女性の胸には「水餃子」。 なにが「焼き」でなにが「水」なのか意味は不明でしたが、ちょっとだけセンスいいと思っちゃいました。

一度、キャップに「」と書かれているスパニッシュの10代くらいの男の子に「意味わかる?」と聞いたことがあります。 「もちろん!」とドヤ顔をしてEmpire!帝国!)」と親指を立てました。そのままにしときました

(でも、今ふと思ったのは「朝廷」のことだったのかなぁと思いました)

近所まで深夜まで営業しているコーヒーのベンダー(屋台)があります。その時間まで営業しているカフェがミッドタウンには少ないので、よく利用しているのですが、陽気な黒人の店主の被っているキャップにも「」の文字が。コーヒーを淹れてくれる間、ヒマだったので、指差し「意味わかってる?」と聞くと、あたりまえだろ、と言った後、「カラテ!」と自信満々に答えます。

「いや、、カラテは(そもそも)2文字なんだよ」と教えると、「えっ!?」彼は驚いた顔をして、脱いだ帽子の文字をマジマジ見ながら「、、じゃあ、、、、、これ、、“カラって読むのか?」と改めて聞いてきました。まずカラテから離れろよ

ここまでは、Tシャツの話です。どんなにおかしくても脱げばいい。そんなに深くは考えず、身につけては取り外せる。僕たちが着る英語のTシャツも、アメリカ人からするとおかしなものもあるはずです。

ただ入れ墨となると、簡単には脱げません。

今でこそ日本でもファッションタトゥーの文化は珍しくありませんが、それでもこっちの警官も教師もみーんな入れるお気軽入れ墨文化には敵いません。

それだけ気軽に入れるからでしょうか。やっぱりおかしなものが多い。

まず黒人に多いのが「」とか「猛牛」。バスケットボールのシカゴブルズから来ているのかもしれませんが、他にも「」「獅子」など動物名が多い。でも「牛」だと日本人の僕には「COW」や「OX」よりどうしても「BEEF」の方にひっぱられます。牛肉って掘ってどうするんだ、と。

他には「カッコいいでしょ」と腕に掘っているのもいました。 せめて「カッコいい」で止めれなかったのか。首筋に愛人」と掘っている女性を見たこともあります。「恋人」よりも格上だと思ったのか。それともパトロンを公募してるのか。連絡先まで掘ってあるかもと探しましたが、さすがにそれはなかった。

他にも「愛の結晶」「喧嘩」「腕白」「母想い」というのもありました。変わったところでは「台所」「あぶく銭」「漢字」というのもありました。(いや、「腕白」も十分、変わってんだけどな。 もう麻痺する)

バーテンで、左上腕から手首にかけて大きく長く「バーテンダーです」と入れている人も見たことがあります。「知ってるよ」とツッコンで欲しかったのかも。少なくとも「です」は余計だ。

その中でも一番印象に残って(ある意味)一番恐かったのは…。

クイーンズに向かう地下鉄の中。 向かいに座る、ノースリーブのシャツを着ているスキンヘッドのヒスパニック系30代前半くらいの男性

頭に「頭」。 額に「額」。 首に「首」。 右肩に「右肩」。 左肩に「左肩」。 右手に「右手」。左手に「左手」。

と、まるで人体模型のように彫ってありました。(忘れないようにか?

ということは、服の中の今見えない箇所もすべて彫ってるのかな、と想像させてくれます。「胸」「腰」「腹」「陰茎」「尻」「右腿」「左腿」、、、と。

目を合わせるのが恐かった。

でも、ここまで彼らのおかしな日本語の使用法を話しましたが…。

J-POPに氾濫する英語もそーとーヘンらしいよ。彼らに言わせると。

高橋克明この著者の記事一覧

全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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