どうした「格安スマホ」。昨年の3分の1にまで失速した厳しい現状

 

せっかくなので、吉澤社長には「先日、楽天がフリーテルを買収したが、どのように思うか」と聞いてみた。すると、「私どもはコメントする立場にはないが、一般的な話として、MVNOも特長が必要ではないか。MVNOの中での違い、個性的なものでなければならない。MVNOのなかでも料金の立て方などで、どういう特長を出せるかが重要と言える」と語った。

ただ、フリーテルはゼロレーティングや端末販売方法など特長を出し過ぎて、結局、ドボンとなってしまったのは、相当、皮肉なことだと言えよう。

もうひとつ、吉澤社長に聞きたかったのが、「万が一、MVNOが破綻し、誰も買収しなかったときにはNTTドコモがユーザーを救済するのか」という確認だ。

その点については、「そういった傾向があった場合、スタンスとしては、ドコモの回線を使っているMVNOは、私どもと提携していると思っている。回線を提供するのはウェルカム。ドコモも組んでソリューションを提供するのはやぶさかではない。そういう組み方、そういう連携はできる。そういった方向であれば、それにたいして、否定的なものはない」

具体的に明言はしていないが、最終的にはMVNOが破綻して救済するところがなくなった場合は、路頭に迷うユーザーをNTTドコモが救済してくれることになりそうだ。

かつては、インフォニックスがau網のMVNOとして「Tigersケータイ」などを手がけていたが、経営破綻して、結局、KDDIがユーザーとサービスを引き取ったことがある。

今回は、楽天がフリーテルを買収したが、将来的には「格安スマホと契約したがいつの間にかキャリアと契約していたということになってもおかしくなさそうだ。

image by: Shutterstock

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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