童謡「ずいずいずっころばし」と徳川将軍家とのただならぬ関係

 

お茶のCMでお馴染み「綾鷹」をご存知でしょうか? あのお茶を作っている上林春松(かんばやししゅんしょう)は宇治で450年の歴史を持つ老舗茶舗店です。1603年、家康から宇治茶の総支配を命じられ、代官として御茶師全体の総括を任されていたのです。御茶壺道中の大行列が安全に高級茶葉を朝廷や幕府に届けられるように監督していたということでしょう。

ところで

ズイズイ ズッコロバシ ごまみそズイ 茶壺におわれて ドッピンシャン ぬけたら ドンドコショ

っていう童歌をご存知でしょう。

これは街道沿いに住む百姓が、御茶壺道中の大行列が通過するときの様子を歌っているものだそうです。

胡麻味噌を摩っていると、御茶壺道中が来るという設定です。家の戸をピシャリと閉めて(ト=戸ッピンシャン)行列が通り過ぎるまでやり過ごす。武士による切捨て御免の時代なので、粗相があったら大変です。子どもたちは決して外に出てはいけないと教えられていたようです。そして通り過ぎるとホッと一息が、「(通り)ぬけたらドンドコショ」という描写です。

御茶壺道中の大行列が通過するときはかなりピリピリムードだった様子が伺えますよね。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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