職業柄、夫婦の悩みを聞く機会がよくあるという、無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者・真井花さん。特に多いのが「コミュニケーション不足」についてのお悩みなのだそうですが 今回、真井さんは「コミュニケーションの段階」について解説をした上でその解消法についてレクチャーしています。あなたのご家庭は「何レス」ですか?
いろいろな「レス」について
さて、本日はステップアップが必要なお話。
朝っぱらからナンですが、日本人夫婦の年間エッチ回数は先進国で最低だそうです( ̄∇ ̄)。
ここでは別にエッチの回数が多いとか少ないとかを云々したいわけじゃないんですよ。今回のテーマは、エッチよりずっと前のコミュニケーションのお話です。
職業柄いろいろなご夫婦やご家庭の話を伺うんですが、とにかく非常に多いのが、「夫・妻とほとんど話しません(T-T)」という悩み(?)です。少しツッコんで聞いてみると多少レベル差があるようで、それが
- 完全になんんんっっっにもない
- 事務連絡のみ
- あいさつくらい
…の3段階です。まあ、目ク●鼻●ソですけどね。こうなってしまうのには、原因があるんでしょう。それこそ「お互いに」ね。あ、ちょっと念を押しておくと、絶対に「お互い」にあるはずですよ。他の関係性はともかく夫婦はその関係性に対して常に50対50の責任があるもんです。多少偏りがあっても48対52とかそんなモンですよ。
この原因がハッキリしているならソレを解決すれば良いんでしょうが、おそらく夫婦間ではそんな単純なモンダイではないはずです。
ちょっとケンカして
なんとなく
気まずくて
仕事でタイミングが合わなくて
そのままになって
そのうち話すことがなくなって
キッカケが掴めなくて
しても聞いてもらえない
ケンカになるだけだから
…きっとこんなカンジなんじゃないでしょうか。それでも、そんな夫婦関係の中でお互いが「もっと楽しく話したいな(;_;)」と思っているんでしょう。だから悩みとして私が聞いているわけですから。
コミュニケーションの段階としては大きくわけて3つあります。
- 事実の伝達
- 事実の伝達+感情の伝達
- 事実の伝達+感情の伝達+スキンシップ
コレ、解りやすいですよね。3段階目のスキンシップは、もはや言語のコミュニケーションを超え、肉体的なコミュニケーションに踏み込んでいるんです。そして、スキンシップにも段階があり
- 手や肘
- 肩・髪
- ハグ
- キス
- 性的な接触
というカンジです。最後の性的な接触があるのは、夫婦だけ(のはず( ̄∇ ̄))です。
そして、コミュニケーションが減って行く場合、フツーはこの段階に沿って下がっていくわけです。ですから、コミュニケーションを増やしたいと思うなら、当然この段階に沿って上がっていく他ないんですよ。
おそらくココでハードルが高いのが
- 事実だけではなく感情も伝える
というところではないでしょうか。2番目の段階ですね。「煮物が冷蔵庫にあるよ」とか「明日燃えるゴミの日だよ」とか「洗濯物を干したよ」とかが事実の伝達です。これに感情をプラスするんです。
が、日本人はもともとそれほど感情表現が豊かな方じゃないですよね。ま、和犬の代表柴犬みたいなもんです。洋犬の底抜けの解りやすさとは大違いですから(*^ー゜)。
これはコレで魅力なんですが、コレが魅力に感じられるのは双方に強い信頼関係があり、しかもその控えめ過ぎる表現に込められた感情を読み合えるようになっているときです。ソコに辿り着くまでには、やっぱりもう少し解りやすく(^-^;表現しないとね。
でね。それじゃあ、更に考えてみてほしいのは、「感情を表現する言葉をどのくらい知っているか」です。プラスするべき言葉自体を知らなければ、そりゃレベル2をクリアするのは難しいですよね。
言葉とは、ある状態に名前をつけることです。この「ある状態」は、言葉で表現されて初めて概念や問題として認識されるんですよ。だから、感情表現が貧弱であるということは、すなわち感情表現言葉を知らない可能性が高いということなんです。これ、重大なモンダイなんですよ。
たとえば、悲しいという言葉を知らなかったとしましょう。そうすると、現実には悲しい気持ちになっているのに、自分が「悲しいのだ」ということが解らないのです。悲しいには悲しいなりの対処があるはずなのに、「悲しいのだ」ということが解らないと、間違った対処をしてしまうんです。たとえば
- 怒ったり
- ニヤニヤしたり
- カンケーない人に八つ当たりしたり
してしまうんです。こんなふうな人、いませんか。家庭でも会社でも。困るんだよね、感じていることと行動が解りにくく食い違っていて対処しづらいんですよ。
なので、まず感情を表す言葉を書き出してみてください。日本語的な正確さはテキトーに無視していいので、できるだけたくさん書きだしてみてください。形容詞でも動詞でもいいですから。多分驚くほど少ない(@@;ですよ。ショックを受けると思います。
- いらだつ
- 後ろめたい
- 懐かしい
- せつない
- 心細い
なんて、結構難しいと思うんですが、挙げられたでしょうか?
感情表現の言葉が少ないのは、それだけ自分の感情を味わっておらず、自分の感情に鈍感(*0*)だということです。そして、当然ですが、夫婦だろうと家族だろうと他者の感情には余計に鈍感なんです。
…と、こういうことを踏まえた上で夫婦間の会話で「感情をプラスする」ことをこころがけるんです。
- スープを飲んだら、ほっとして落ち着いてきたよ
- いつまでも宿題をやらずにいるから、じれったくっなって
- 窓ガラスを拭いたから、スッキリして爽快だね
- ポインセチアが枯れて、ガッカリしちゃった
…事実だけを伝達した場合と印象が大きく違いますよね。これを言った人の気持ちがよく解り、こちらもどうしたらいいのか解りやすいです。
夫婦間のコミュニケーション。日常会話にささやかな感情を載せるところから始めてみましょう。
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