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アルバイトに有給休暇を与えないと企業はどんな罪に問われる?

「パートで週に3日しか働いていないから有給休暇はもらえない」「バイトに有給休暇? ありえないでしょ」などと思い込んでいないでしょうか。ところが、無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者で社労士の飯田弘和さんによると、条件を満たせばパートやアルバイトで所定労働日数の少ない人でも、会社側は彼らに有給休暇を与えなければいけない定めがあるとのこと。ではその「条件」とは?

御社の就業規則には、年次有給休暇の定めがありますか?

御社の就業規則の中には、年次有給休暇に関する定めがありますか? たとえ定めがなくても、御社で働くすべての従業員に対して年次有給休暇を与えなければなりません。与えなければ、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されます。

正社員はもちろんですが、パートさんだろうが学生アルバイトだろうが、御社のすべての従業員に対して、有給休暇を与える必要があります。「パートには、有給休暇はない!」などと思い込んでいませんか?

法律では、御社で働くすべての従業員に、有給休暇を与えなければなりません。この従業員には、正社員とパートとの区別はありません。労働時間や所定労働日数の違い、有期雇用か無期雇用かの違いに関係なく、すべての従業員に年次有給休暇の権利が発生します。

年次有給休暇は、6ヶ月以上継続して働いている方の中で、出勤率が8割以上の人に与えられます。働き始めてから6ヶ月を超えると、10日間の有給休暇を与えなければなりません。翌年には11日、翌々年には12日と増えていきます(上限は20日です)。

パートさんなどで、1週間の所定労働日数が少ない方(例えば、1週間のうち、火・水・金の週3日だけ勤務のような方)は、その所定労働日数に応じて、比例付与されます。たとえば、週4日勤務の方は、「6箇月継続勤務・8割以上の出勤率」で、年間7日間、週1日勤務の方でも、年間1日の有給休暇を与えなければなりません。そして、こちらも勤続年数によって増えていきます。

この「継続勤務」とは、たとえ3ヶ月や6ヶ月の有期労働契約であっても、「更新」することによって継続して働いている場合は、「継続勤務」となります。

また、パートさんやアルバイトの方が、正社員になった場合などは、パート期間から継続して勤務期間を算定します。定年後の「継続雇用」でも、同様に扱います。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社の就業規則には、年次有給休暇の定めがありますか?」

image by: Shutterstock.com

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就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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