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外国人ウロウロの懸念。厳しい法の施行で「違法民泊」が消える?

いよいよ来年の6月から施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)。これにより、従来の通り特別な許可なしで部屋を貸し出すには「年間180日」という制限がかかり、違法民泊実施者にとっては大幅に儲けが減ることになり、大きなダメージとなりそうです。これらをふまえ、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんが、違法民泊の今後と管理組合が取るべき対策について記しています。

違法民泊をしている人はどうなるの?

こんにちは! 廣田信子です。

今、マンションで民泊を行っている人は、ほぼすべて違法民泊ですが、それをやっている人たちは、住宅宿泊事業法が施行したら、合法で民泊をしたいからということで、民泊禁止の規約改正を阻止しようと総会で反対意見を言ったり、総会決議で禁止をするのはおかしいと訴えたりするでしょうか。

その辺も聞かれることがありますが、何とも言えません。ただ、いろいろな方との意見交換して思うのは、(まったくの私見ですが…)、彼らが、それほどのエネルギーとお金を使っても合法民泊をしたいと思うかどうか…です。営業日数の180日制限がありますから、合法民泊はそんなに儲かるものではないのです。

年に数回しか使わないリゾートマンションを、使用しない期間だけ、民泊に活用しようということなら分かりますが。民泊のためだけの使用で利益を上げようというのは、そう楽なことではありません。個人の実施者の心理としては、できるだけ、今まで通りの稼働日数で稼ぎたいと思うでしょう。

自分が名乗って、民泊を認めるようにと管理組合に要求するのは、今、民泊をやっていることを認めるようなもので、あまり得じゃないと思って、何も言わずに無視するのではないでしょうか。

しばらくは、周りに過大な迷惑を掛ける等、よほどの悪質なものでなければ取り締まれないだろうから、届け出なしで、そのままそっと営業を続けるのだろうというのが大方の予想です。自分が騒いだら、警戒されてしまうので、正面切って反対とは言わないことも多いと思うのです。

むしろ、より静かに潜行して、「これは民泊ではないと言い張れるよういろいろな手を考えるのではないかと。親戚、お友達、お世話になっている人に無償で宿を提供…次は、どんな口実が繰り出されるか…。日本の住宅宿泊仲介事業者への監督が厳しくなったら、海外の民泊サイトへ物件が流れることも懸念されます。

管理組合は、規約で禁止しても安心はできません。おかしいと思う住戸があったら、できるだけ早く証拠を集めて訴訟してでも止めさせなければなりません。違法民泊実施者は、設備投資した分を回収し、365日フル回転でできるだけ儲けて、管理組合が本気だと知り、いよいよ危なくなったらすっと引き上げるんじゃないかと。そして、まったく反対の意思表示がされていないマンションでまた、そっと始めるのかもしれません。

合法民泊については、いろいろ規定ができましたが、潜行する違法民泊の取り締まりについては、どこまで真剣にやってくれるのか、まったく見通しが立っていません。たいへんな時代になったことは間違いありません。自衛するしかありません

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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