音声操作で家庭内の様々なデバイスを制御したり、音楽を聞くことができる「スマートホーム端末」の市場競争が激化しています。GoogleやAppleに対抗し、Amazonは「Amazon Echo」で参入することを発表しました。メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者でIT業界やガジェットに造詣の深い人気コンサルの永江さんのもとに、この「Amazon Echo」はぶっちゃけ”買い”なのか? という質問が寄せられています。永江さんは「Amazon Echo」の現状の大きな課題を挙げつつ、その将来性を評価しています。
Amazon Echoについての所感
Question
この質問が取り上げられる頃にはAmazon Echoも日本で正式発表になってる頃と思います。キッチンで使えるホーム端末としてタイトルの両者のうち、どちらがふさわしいかなと思い、質問します。
最初はGoogle Home Miniを押していたのですが、音声操作で画面が見られないのは絶対ダメ!と妻のダメ出しを食らい、候補落ちしました。Chromecastと安いテレビを組み合わせるという手もありそうですが、予算的に無理です。
家事や育児をしてると普通に両手が塞がっていて、かつスマホは幼児に取り上げられており、音声で操作できる端末があると便利だろうなと思っていたところです。が、レシピを調べたいときなど、音声で言われても忘れる!とのたまうのです。
いろいろ調べてみると、Amazon Echo Showなるものがあるらしいことまでは分かりました。7インチの画面だそうですが、これ、どこまで主婦のニーズをつかめるのでしょうか。永江さんなりにご指摘いただければと存じます。
自分用にはAmazon Echo買って職場に置くつもりです。ほんとはEcho Dotだけでいいんですが、よろしくお願いします。
AmazonのEcho dotは既に招待申請済みなのですが、Echoについてはちょっと知見があります。
実はこちらのリリースにもある通り、わたしのクライアントであるJTBのPassMe!も参画してるから。今まさに毎週の打ち合わせで細かい動作や機能を作り込んでる最中なんです。
巷では「最強のAIスピーカー」などと取り上げていますが、Amazon Echoの一番の問題点は正直まだ「AI」と呼べるレベルに達していないところだと思います。というのもEchoの頭脳となるAlexa(アレクサ)はクラウドベースの音声サービスなので、あらかじめ決まったキーワードを伝えないと機能しないんです。
例えば「東京都◯区の和食レストランを教えて」と伝えれば探せますが、位置情報を持っていないので「この近所で美味しいお店を教えて」という問いには答えられない。
Google検索のように特定のキーワードを入れてその指示に従うことは出来ても、個人の趣味嗜好に合わせてカスタマイズされた返答は出来ないんです。まだAIには達していないのではないかと・・・。
Echoが最もその真価を発揮するのは、比較的単純な命令に従う場面だと思います。寝室の照明やエアコンをつけたり、車内で好きな音楽をかけたり、目覚ましのアラームをセットしたりするような動作なら完璧ですし、生活を豊かにしてくれるのではないでしょうか。
今後、個人の家族構成やAmazonの購買履歴と連動して一人ひとり違うおすすめを出せるようになれば、大分マッチング度は高まると思いますよ。
image by: Amazon Echo公式サイト