老後も働くなら年金をカット。65歳以上を悩ます「年金停止問題」

 

支給停止開始額というのは物価や賃金変動で毎年度変わりますが、今年度は前年度と変わらず。よって現在の老齢厚生年金月額は87,500円-38,750円=48,750円。しかし、厚生年金に加入しながら雇用保険から高年齢雇用継続給付金が支給されているので更に年金がカットされる。高年齢雇用継続給付金による年金停止額は標準報酬月額22万円×6%=13,200円の年金停止額。

高年齢雇用継続給付金を支給する時は実際の給与215,000円を使いましたが、停止額を算出する際は標準報酬月額22万円を使う。年金で言う給与が標準報酬月額と考えてもらえばいいですね。だからさっきの48,750円-13,200円=35,550円が実際の支給年金額。よって現在の月収入は給与215,000円+高年齢雇用継続給付金32,250円+(老齢厚生年金87,500円-在職による年金停止38,750円-高年齢雇用継続給付金による年金停止13,200円)=282,800円が実際の月収入。あ、年2回の賞与合計60万円も。

※参考

もし、60歳到達時賃金40万円から例えば28万円に標準報酬月額が下がったら40万円に対して低下率は70%になる。停止額の率を算出→{(-183×70+13,725円)÷280×100÷70}×6÷15=1.87。6÷15というのは支給する高年齢雇用継続給付金の約40%(6÷15)を停止する意味を持つ。つまり、28万円×1.87%=5,236円が年金からカット。

さて、老齢厚生年金が停止されている最中ですが、この男性は来月から65歳になります。65歳になるとこの男性は賞与が無くなりますが年金停止も緩くなります

まず、この男性は60歳から65歳になるまで標準報酬月額22万円で5年間の合計賞与300万円で働いてきたのでこの5年間の報酬平均値を27万円とします(22万円×60ヶ月+300万円=1,620万円を60ヶ月で割った)。年金額を65歳時点で再計算して65歳到達月の翌月分から再計算した年金を支給します。

ザックリですが、65歳以降は報酬比例の年金額は27万円÷1000×5.481×60ヶ月=88,792円増額。経過的加算→1,625円×60ヶ月=97,500円の増額。

経過的加算(日本年金機構)

更に、厚生年金期間が20年以上有り65歳時点で65歳未満の生計維持している配偶者がいるから配偶者加給年金389,800円が加算される。つまり、65歳到達月の翌月の老齢厚生年金(報酬比例部分の年金105万円+88,792円+経過的加算97,500円)=1,236,292円(月額103,024円)に増額。

また老齢基礎年金68万円の支給が始まる。よって65歳到達月の翌月からは老齢厚生年金1,236,292(経過的加算97,500円含む)+配偶者加給年金389,800円+老齢基礎年金68万円=2,306,092円(月額192,174円)。

しかし、70歳まで給与215,000円(標準報酬月額22万円)で働く。なお、来月12月から賞与30万円は無しになるから直近1年間に貰った賞与は平成29年7月の30万円で最後になる(月換算25,000円)。平成30年7月になるとこの25,000円も外れる。

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